毎日新聞 2011年11月26日
◇18〜34歳 出生動向基本調査
異性の交際相手がいない18〜34歳の未婚者が男性で61%、女性で49%に上り、いずれも過去最高となったことが25日、国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査(独身者調査)」で分かった。05年の前回調査から急増、男性で約9ポイント、女性で約5ポイント増えた。うち半数近くは男女とも「特に異性との交際を望んでいない」と答えた。
一方、結婚する意思がある人の割合は男性86%、女性89%と高水準を維持。同研究所人口動向研究部の金子隆一部長は「結婚や交際を望んでも、仕事が忙しかったり経済的な余裕がなかったりしてかなわず、諦めている人が多いのではないか」と分析している。
独身でいる理由(複数回答)で最も多かったのは18〜24歳では「まだ若すぎる」(男性47%、女性41%)、25〜34歳では「適当な相手に巡り合わない」(男性46%、女性51%)だった。
25〜34歳では「結婚資金が足りない」(男性30%、女性16%)、「異性とうまく付き合えない」(男性13%、女性11%)が前回より増え、過去最高となった。
回答時から1年以内の結婚については、男性43%、女性53%が「したい」もしくは「理想的な相手が見つかればしてもよい」と答え、これまでで最も高い割合だった。
1990年代の調査と比べ、男女とも正規雇用者が大きく減り、逆にパートや派遣などで働く人が増加。特に男性の場合、こうした人は正規雇用者と比べ結婚の意欲が低い傾向がみられた。「仕事で私生活が犠牲になっている」と回答した人の割合も90年代より増加した。
調査は原則5年ごとに行われ、7回目の今回は昨年6月実施。男女約1万人の回答のうち、18〜34歳の約7000人分を中心に分析した。