育休給付、支給要件緩和へ 厚労省 復帰に向けた在宅勤務支援

SankeiBiz 2013/5/14

 厚生労働省は、育児休業中に在宅で短時間勤務する人を支給対象としやすくするため、育児休業給付の支給要件緩和に向けた検討に入った。月に11日以上働くと支給されない現行制度を改め、本格復帰を前に在宅勤務を希望する人を支援する。

 女性の就労支援を重視する安倍晋三政権の成長戦略の一環。今秋から労働政策審議会で議論を開始し、来年の通常国会に雇用保険法改正案を提出する方針だ。

 育児休業給付は、育児休業を取得した人に原則、休業前の賃金の50%を支給。休業中の手当のため、1日1時間以上働いた日が月に10日以内であることが要件だ。

 このため、1カ月に1日2時間ずつ10日間働いた人には支給されるが、1時間ずつ11日間働いた人には支給されない。厚労省は、育休中に短時間しか働けない日が多いことを考慮し、働いた時間が一定以下なら支給することを検討する。

 支給要件が緩和されれば、子供の昼寝時間などを在宅勤務に活用し、収入を減らさずに仕事のブランクへの不安を解消できるメリットがある。

 ただ「子育てのために休む」という理念が薄れて労働強化につながる恐れもあり、厚労省は企業や労働組合などと協議する。

 出産や育児による女性の離職を防ごうと、安倍首相は子供が3歳になるまで育休を取得できるように支援する「育休3年の推進」を提唱する。しかし、働く女性からは「職場復帰が遅れて、仕事の能力が低下する」との声もあり、復帰支援の具体策を検討していた。

この記事を書いた人