米シスコ4000人削減発表 8〜10月期売上高見通し、予想下回る

http://www.sankeibiz.jp/business/news/130816/bsk1308160501000-n1.htm
SankeiBiz 2013.8.16

ネットワーク機器最大手、米シスコシステムズは14日、全従業員の約5%に相当する約4000人の削減を実施すると発表した。この日示した2013年8〜10月期(第1四半期)の売上高見通しは大方のアナリスト予想を下回る数字となった。

ジョン・チェンバース最高経営責任者(CEO)は電話会議で、日本や中国、欧州の販売鈍化が売上高の伸びを圧迫していると述べ、4000人を削減することを明らかにした。シスコの発表資料によると、8〜10月期の売上高は122億〜125億ドル(約1兆1960億〜1兆2250億円)となる見通し。アナリスト予想平均は125億ドルだった。

企業や通信事業者による高コストの通信網整備の先送りでシスコの成長率が鈍化するとの懸念が浮上している。ロバート・W・ベアードのアナリスト、ジェイソン・ノランド氏によると、投資家の間では米企業の支出の改善を受けてシスコの好決算が見込まれていた。ノランド氏は「好調な状況からみて、シスコの事業のどこかが不振でも同社は他の分野で穴埋めすると期待されていた」と述べた。

シスコの株価は時間外取引で一時11%下落した。通常取引終値は0.2%高の26.38ドル。シスコはウェブビデオや携帯機器の利用拡大に伴うルーターやスイッチ、サーバーの購入増加から恩恵を受けているものの、米国外の販売鈍化を穴埋めできていない。シスコは国際的に事業を展開しているため、世界経済の成長鈍化は痛手だ。新たな人員削減により過去2年間の合理化の規模は1万2300人となる。(ブルームバーグ Jordan Robertson)

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