新卒採用:3年生の3月解禁に繰り下げ 経団連が指針

毎日新聞 2013年09月13日 21時24分(最終更新 09月13日 22時19分)

 経団連は13日、大学生を対象とした企業の採用活動の開始時期を、現在より3カ月遅らせる内容の新たな指針を発表した。会社説明会など広報活動の解禁を大学3年の3月(現在は大学3年の12月)、面接や筆記試験などの選考開始は4年生の8月(同4年生の4月)に繰り下げる。就職活動の長期化で、学業などに負担がかかる現状を懸念する政府の要請を受けた措置。

 現在の大学2年生から適用する。「採用選考に関する企業の倫理憲章」という現行ルールの名称は、「採用選考に関する指針」に変更。10月1日以降と定めた正式内定時期は現行ルールを踏襲した。

 現行は賛同企業833社による自主ルールの位置づけだが、新指針は約1300社の会員企業すべてに順守を要請する。経団連に加盟していない中小企業団体などが足並みをそろえないと、学生が混乱する可能性もあるため、理解を求めて実効性を高める考えだ。

 「指針」と同時に定めた「手引き」では、選考開始時期が真夏の8月になることから、学生のクールビズでの活動を容認することなどの配慮を要請した。

 広報活動期間中にエントリーシート等で面接などに進める学生を絞り込む「事前スクリーニング」については、「事実上の選考活動に該当するのではないか」との声が出ているが、経団連は企業による選考を効率的に進める観点から「自粛すべき選考活動ではない」とし、新たに「手引き」に明記した。

 指針には、現行の倫理憲章と同様、守らなかった企業への罰則規定がないため、一部企業による抜け駆けを懸念する声もある。記者会見した高橋弘行労働政策本部長は「(抜け駆け企業への)ペナルティーは想定していないが、どう実効性を高めるかについては引き続き検討を続けていく」と語った。【大塚卓也】

この記事を書いた人