男女賃金格差ワースト2位だった製造業盛んな県

YOMIURI ONLINE 2014年04月15日

 愛知県内の昨年の男女間賃金格差が、全国で宮城県に次いで大きく、ワースト2位だったことが、働く女性らでつくる「日本BPW連合会」(東京都渋谷区)の調査で分かった。

 調査は、国際的に比較できる算出方法によって実施。傘下組織「BPW名古屋クラブ」では「男性中心の製造業が盛んな県内では思い切った改善が必要」としている。

 同連合会では、厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、女性が男性の1年分の賃金を得るために何日多く働かなければならないかを数値化。正社員の平均給与額から男性の給与を32万6000円、女性を23万2600円、月に22日働いたとして計算すると、日本では75・6日多く働かないと、女性は男性に追いつかず、昨年1月1日から一緒に働き始めた場合、今年4月13日になる。

 女性の賃金が男性と同じになる日は「イコール・ペイ・デイ(EPD)」と呼ばれ、世界では昨年、スイスが3月7日で最も短かった。日本は2012年の4月16日からわずかに改善したが、世界平均の4月8日には及んでいない。県のEPDは4月23日。12年の全国ワースト(4月30日)からは脱したが、愛知と同じ4月23日ながら小数点以下で格差が大きかった宮城県に次いでワースト2位という状況。

 賃金の男女間格差是正を求める運動は各国で行われており、県内でも昨年から同クラブが開始。これまでは公共施設にチラシを置く程度だったが、県が吉本明子副知事をトップとするプロジェクトチームを発足させるなど、女性の社会進出に力を入れていることから今月8日、大村秀章知事に「イコール・ペイ・デイ」と書かれたファイルを手渡すなどして、直接改善を求めた。

 同クラブの波多野慧子代表(67)が「労働人口が減る中、女性の活躍は県の活性化に不可欠。保育所の整備など、女性が働き続けられる環境整備を」と訴えると、大村知事は「女性の社会進出を進めながら、一歩ずつ改善していきたい」と応じていた。(吉富萌子)

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