過労死防止法実効性を 成立受け遺族ら報告集会 神戸

神戸新聞 2014/7/27

法整備に向けた歩みを振り返る遺族の西垣迪世さん=27日午後、ラッセホール
(写真省略)

 働き過ぎによる死亡を防ぐ対策を国の責務とする「過労死等防止対策推進法」が6月に成立したことを受け、「過労死のない社会実現へ」と題した集会が27日、神戸市中央区のラッセホールで開かれた。法整備を求めて署名活動などを続けた遺族らが、施行後の実効性確保などを訴えた。

 同法は、過労死や過労自殺の防止に向けた初の法律で、11月施行に向けて準備が進む。国が取るべき対策として、過労死の実態調査・研究▽相談体制の整備▽啓発▽民間団体の支援▽防止策に関する大綱作り‐などを盛り込んだ。

 集会は兵庫県内の遺族や弁護士らでつくる実行委員会が主催し、約80人が参加した。

 過労死防止法制定全国実行委員会事務局長の岩城穣(ゆたか)弁護士は、今後、専門家や遺族らの意見を聴く協議会が設けられることなどを挙げ「署名が多かった兵庫で、条例や協議会の地方版をつくるなど先進モデルができれば」と提案した。

 全国過労死を考える家族の会兵庫代表で、一人息子を過労が原因で亡くした西垣迪世(みちよ)さん(69)=神戸市垂水区=は「今からがスタート。防止策の推進センターのような機関をつくり、法律を生かしたい」と語った。

(宮本万里子)

この記事を書いた人