朝日新聞 2014年10月27日
カゴメは27日、午後8時以降の残業を原則禁止する制度を5月に導入したことを明らかにした。仕事の無駄を洗い出し、人員の適切な配置につなげる「業務改革室」も今月に設置。長時間労働を防ぎ仕事の能率を上げるよう、社員に意識改革を促す考えだ。時間外手当を減らす効果も見込む。
対象は国内のオフィスや工場で働く約1600人。基本的に午後8時以降の残業を認めず、管理職を通じて社員に徹底を求める。違反者への罰則は設けず、管理職が率先して帰る▽午後8時には音楽を流して帰宅を促す、といった取り組みを進めているという。
カゴメでは原材料のトマトの値上がりや円安によるコスト増が業績の重しになっている。広報担当者は「残業しない働き方を広め、経費削減にもつなげたい」と話す。
残業の制限は大企業で広がり始めている。伊藤忠商事は午後10時に本社を完全消灯する代わりに、朝型勤務を促す制度を5月に導入。リコーも午後8時〜翌朝8時の労働を4月から原則禁止している。
一方、カゴメが同日発表した2014年4〜9月期決算は、売上高が前年同期比0・9%減の1028億円、純利益は同43・6%減の22億円で、4〜9月期では2年連続の減収減益だった。主力の野菜飲料が健康をうたうほかの飲料に押され、振るわなかった。(大隈悠)