「人材不足」46.5%が懸念 中小企業の15年経営活動調査

SankeiBiz 2015.1.1

 産業能率大学(東京都世田谷区)は従業員が300人以下の中小企業を対象に、2015年の経営活動に関する調査を実施した。それによると「経営に影響を与えると想定される要因は」という問いに対し、「人材の不足」という回答が最も多かったことが判明した。10年に調査を開始して以来、この項目がトップになるのは初めて。14年は売上高の減少やサービスの質の低下など、人手不足に端を発した諸問題が相次いで浮き彫りになっており、15年はさらに深刻化するとみられる。

 「人材の不足」を回答した割合は46.5%。前年調査を14.5ポイント上回った。このほか、経営者として15年に取り組みたいことは「営業力の強化」「利益率の向上」「市場シェアの拡大」と、積極的な施策が上位に並んだ。

 こうした中、「従業員の新規採用」と回答した経営者の割合は17.6%。前年に比べて3.8ポイント増で他の項目に比べても伸び幅が目立った。

 ただ、業績の回復を受けて中堅・大企業が採用に力を入れているため、人員の確保には苦戦を強いられている。

 15年の新卒者を採用する予定の154社の経営者に聞いたところ、「予定を下回る人数しか採用できなかった」と回答した割合は38.3%。前年調査を4.5ポイント上回り、過去最高となった。中途採用人数についても、予定を下回ったのは3割を超えた。15年も55.7%が「中途採用の予定がある」としているが、引き続き厳しい採用前線に直面しそうだ。

 採用以外では、円安の進行に伴う「原材料コストの増大」を想定する比率が拡大、4.9ポイント増の29.3%となった。

 今回の調査では635人の企業経営者から回答を得た。

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