ヤマト運輸 「長時間残業解消せず」 ブラック企業労組、団交へ

ヤマト運輸 「長時間残業解消せず」 ブラック企業労組、団交へ
毎日新聞2017年8月19日 東京夕刊

https://mainichi.jp/articles/20170819/dde/041/020/012000c

 

残業代の未払いが発覚し、働き方改革を始めている宅配最大手のヤマト運輸に対し、労働組合「ブラック企業ユニオン」は18日、「(3月の)改革開始後も長時間残業が続いている」として団体交渉を申し入れた。同社は「応じる」と回答した。
 兵庫県内の営業所に正社員として勤務する40歳代の男性ドライバーが同日、東京都内でユニオンと記者会見。お中元で繁忙期だった7月16日から1カ月間の残業が計約81時間だったと明かし、「休憩が十分に取れず、昼食も食べずに働いている」と訴えた。
 同社は6月、時間指定配達の「午後8〜9時」を「午後7〜9時」の2時間に拡大し、最後の1時間に指定が集中しないようにした。しかし、男性は「拘束時間は変わらず、退勤は午後10時」と指摘した。
 ヤマト運輸の残業代を巡っては、親会社のヤマトホールディングスが約5万9000人を対象に、直近2年分の未払い分として総額約240億円を支払うとしている。会見した男性は453時間分の約73万円を受け取ったが、「上司に『休憩を十分に取れないのは君の能力、努力が足りないから』と言われ、1年分しか請求しなかった」と明かした。
 ヤマト運輸広報戦略部は「(団交に)誠実に対応していきたい」と話した。【早川健人】 

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