『忘年会』残業代なしの強制参加は“労基法違反”も…幹事は?余興は?スルーできない忘年会の法律 (12/22)

『忘年会』残業代なしの強制参加は“労基法違反”も…幹事は?余興は?スルーできない忘年会の法律
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2019/12/22(日) 7:03配信 関西テレビ

『忘年会』残業代なしの強制参加は“労基法違反”も…幹事は?余興は?スルーできない忘年会の法律

〔画像〕忘年会で上司から「面白いことやれ」という“むちゃぶり”があった場合、これは強要罪に?
この時期増える忘年会で、今ちょっとしたブームとなっている言葉が『忘年会スルー』。

 職場の忘年会をスルーしたい、つまり断りたい人が増えているというのです。

 ある調査では、8割以上が忘年会に行きたくないと回答(Jタウンネット調べ)。SNSでは、「#忘年会スルー」のハッシュタグを使い、実際にあった「忘年会の断り方」を発信しています。

<発信されている“断り方”の例>
「その日は風を引いてしまう予定なので、出席するのがちょっと難しいですね」
「6人以上の会合に出席すると体調不良になる呪いにかかっているので、忘年会は欠席します」

 令和の忘年会で行われる「忘年会スルー」は街でも話題になっていました。

男性:
「昨日しゃべってたんですよ。友達がやってて『忘年会スルーしたった』みたいな」

別の男性:
「法律とかあんま分からんけど、(強制参加は)シンプルにパワハラっすよね。残業代にカウントしてくれと」

連れの男性:
「強制までいったら業務やって割り切れるけど『強制じゃないけどな』みたいな圧で来られたら、それが一番イヤ」

 忘年会は残業になるのか、強制参加は法律違反なのか?“スルー”できない、忘年会にまつわる法律問題について、菊地幸夫弁護士に伺います。

菊地弁護士:
「残業手当なしの強制参加は労働基準法違反にもなり得ます。例えば会社のミーティングと変わらないとすると、これは業務ではないのかということになります。業務を勤務時間外にやるとなると、それは残業手当とかの問題にもなってくる可能性があります。

 しかも、忘年会は会費を払って参加することが多いと思います。参加する方が自分でお金を払うことが強制で、残業手当もなしということになると、これは労働基準法違反になるのではないかとか、色んな問題が出てきます」

Q.続いて、ケーススタディとして「幹事を任されて店や余興の準備をする」と言う場合、これは業務なのでしょうか、また残業代についてはどうなるのでしょうか?

菊地弁護士:
「上司から『キミ、幹事を頼む。だが本来の仕事とは異なるから勤務時間外に』なんてことになると、この場合は幹事役に残業代を支給しなければならないというケースも出てくるかと思います。ただ、幹事さんが自発的にやっている場合は別かもしれません」

Q.次に、忘年会の席で上司から「面白いことやれ」という“むちゃぶり”があった場合、これは強要罪になり得るのでしょうか?

菊地弁護士:
「強要罪は、暴行や脅迫という強い手段で命令した場合になります。単に『面白いことやれ』くらいでは無理だと思います。『やらないとキミ、ボーナスの査定に…』とかになると脅迫になるかもしれませんね」

Q.最後に、「本日は無礼講で…」と言われたので、酔った勢いで上司に暴言を吐いてしまった場合、名誉棄損罪や侮辱罪に問われるのでしょうか?

菊地弁護士:
「少数の、例えば2〜3人とか3〜4人の限られた人の中で多少悪口を言うのはセーフになります。と言うのも名誉棄損や侮辱となるのは“公然”、不特定多数の前でやった場合だからです。他のお客さんもいるような所でやると、それらの罪になるかもしれませんのでご注意ください」

(関西テレビ12月18日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)

最終更新:12/22(日) 7:03
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