生産・雇用悪化止まらず 1月、鉱工業生産最大の10%減

日本経済新聞 2009/02/27

 世界的な金融・経済危機を受けて、日本の景気が厳しさを増している。政府が27日発表した1月の主要経済指標によると、鉱工業生産指数は前月比10.0%低下し、過去最大の落ち込み幅を記録。有効求人倍率は0.67倍で、5年4カ月ぶりの低水準にとどまった。企業の在庫調整が進む兆しもみられるが、実体経済の低迷はなお続きそうだ。全国消費者物価指数は前年同月比横ばいとなり、デフレ再燃の懸念も強まってきた。

鉱工業生産の推移(グラフ)

 
経済産業省が27日発表した1月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100)は76.0となり、前月に比べ10.0%低下した。統計をさかのぼれる1953年以降では最大の落ち込みで、84年4月以来、24年9カ月ぶりの低水準にとどまった。ただ在庫指数は2.0%低下と5カ月ぶりに改善し、在庫調整が徐々に進んでいることもわかった。

 生産指数の低下は4カ月連続。1月の低下幅は市場予測の平均(10.2%)とほぼ同じだった。前年同月比では30.8%低下し、過去最大の落ち込みとなった。経産省は生産の基調判断を3カ月連続で「急速に低下している」とした。

生産・雇用悪化止まらず 1月、鉱工業生産最大の10%減

 

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