11/03/30 震災後の労働相談8千件 内定取り消し、入社延期も

2011年3月30日 共同通信 

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の労働局に解雇や賃金、休業手当などに関する労働相談が少なくとも約8千件寄せられていることが30日、各労働局への取材で分かった。このほか内定取り消しや入社延期の相談が144件あり、新卒者を取り巻く環境も厳しさを増している。

津波が襲った3県の沿岸部では多数の企業が壊滅的な被害を受けた。福島労働局は、福島第1原発事故の影響で県外に大量の避難者が出ていることから「数万人規模の労働者が実質休業状態」とみている。3県で今後さらに労働相談が増えるのは必至で、早期の雇用対策が求められる。

労働相談の件数は、各労働局の取りまとめ期間が異なるものの判明分では岩手県が3750件で最も多い。続いて宮城県約2420件、福島県約1990件の順だった。震災から約10日が経過した3連休明けごろから急増した。

ハローワーク仙台の坂下敏明管理部長は「問い合わせだけで1日200件以上ある。今までに経験したことがない状況だ」と話す。

これとは別に、新卒者の内定取り消しに関する相談が3県で計76件あり、実際に24人が内定を取り消されたことを確認した。入社延期の相談も68件に上り、避難中などの理由で入社を実際に延期された新卒者は判明分だけで86人となっている。

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