大阪過労死問題連絡会、結成30年で記念シンポ

2011.11.12  産経ニュース

パネルディスカッションなどが行われた大阪過労死問題連絡会の結成30年記念総会=12日午後、大阪市天王寺区(小野木康雄撮影)

大阪の弁護士や学者らでつくる「大阪過労死問題連絡会」が結成30年を迎え、12日、大阪市天王寺区の府教育会館で記念シンポジウムが行われた。遺族ら約100人が出席。会長の森岡孝二・関西大教授(企業社会論)らの基調報告や、「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表らによるパネルディスカッションなどがあった。

連絡会は昭和56年7月に結成。当初は過労死という言葉は社会的に知られていなかったが、63年4月に全国に先駆けて無料電話相談「過労死110番」を実施。第1号の相談者となった遺族は同年11月、米紙で紹介され、「karoshi」が国際語に定着していく契機となった。

記念シンポでは、近年は過重労働から鬱病などの精神疾患になる「過労自殺」が20代に増えている実態などが話し合われ、パネリストの熊沢誠・甲南大名誉教授(労使関係論)は「行きすぎた成果主義で従業員が孤立し、上司の圧迫に対抗できない現状を考えるべきだ」と指摘した。

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