最高裁 国家公務員の政治的行為認める判断

NHKニュース2012/12/07
国家公務員法が禁止する政治的行為について、最高裁判所は「公務員の地位や権限などを総合的に考慮すべきで、中立性を損なう具体的なおそれがある場合に限られる」という初めての判断を行いました。

そのうえで、政党の機関紙を配布して起訴された旧社会保険庁の職員に無罪の判決を言い渡しました。

旧社会保険庁の職員で現在の日本年金機構の堀越明男准職員(59)と厚生労働省の元課長補佐宇治橋眞一被告(64)は、いずれも休日に日本共産党の機関紙を配布したことが、国家公務員法が禁止する政治的行為に当たるとして起訴されました

2審の東京高等裁判所は、准職員を無罪とした一方で、元課長補佐に対しては罰金10万円を言い渡し、判断が分かれていました。

判決で最高裁判所第2小法廷の千葉勝美裁判長は「政治的行為が禁止されるのは地位や権限などを基に総合的に考慮したうえで、公務員の中立性を損なう具体的なおそれがある場合に限られる。こうしたおそれが認められないケースでは、政治的行為を禁止すべきではない」という初めての判断を行いました。

そのうえで、堀越准職員については無罪を言い渡しました。

一方で、管理職に近い立場で、職員の指導や監督を行っていた宇治橋元課長補佐については、有罪を言い渡し、それぞれ確定することになりました。

判決について最高検察庁の長谷川充弘公判部長は「それぞれの事件の内容に応じて判断が示されたものであり、真摯に受け止めます」とコメントしています

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