翁長知事、基地の過重負担訴え=民意尊重を、国の強行批判−辺野古代執行訴訟

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2015120200508

時事ドットコム 2015年12月2日

第1回口頭弁論に出廷し、意見陳述を待つ翁長雄志沖縄県知事(左)=2日午後、那覇市の福岡高等裁判所那覇支部第201号法廷(代表撮影)

 

 

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐり、翁長雄志知事による名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しを撤回するよう国が求めた代執行訴訟の第1回口頭弁論が2日午後、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で開かれた。翁長知事が法廷で意見陳述し、米軍基地の過重な負担などを訴えた。「今の日米安保体制は正常と言えるのか」と述べ、沖縄の民意を尊重し国の請求を退けるよう求めた。次回期日は来年1月8日が指定された。

 

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 米軍基地問題で、国と沖縄県が裁判で争うのは1995年に米軍用地の強制使用に必要な代理署名を拒否した大田昌秀知事(当時)を政府が訴えた「代理署名訴訟」以来、20年ぶり。
 翁長知事は約10分間の意見陳述で、戦後強制的に県民の土地が接収され、基地が建設された歴史に触れ、「沖縄が米軍に自ら土地を提供したことは一度もない」と強調した。また、「昨年の選挙で辺野古新基地反対の民意が出たにもかかわらず、政府は建設を強行しようとしている」「米軍施政権下と何ら変わらない」と批判した。
 さらに、「この裁判で問われているのは、承認取り消しの是非だけではない」と主張。戦後70年を経た今も、国土面積の0.6%の沖縄に米軍専用施設の73.8%が集中していると指摘し、「未来を切り開く判断を」と訴えた。

第1回口頭弁論に出廷し、開廷を待つ国の原告団=2日午後、那覇市の福岡高等裁判所那覇支部の第201号法廷(代表撮影)

 

 

 国側は、翁長知事の承認取り消しにより、普天間飛行場の危険性除去ができなくなるだけでなく日米関係にも亀裂を生じさせ、不利益が大きいと強調。前知事による埋め立て承認に瑕疵(かし)はなく、取り消しは違法だと主張した。法務省の定塚誠訟務局長は、米軍施設の移設先を含め安全保障問題は「知事が審査、判断できることではない」と述べた。
 県側は、国が既に承認取り消しの効力を停止していることから、地方自治法に基づく代執行の要件を満たしていないなどとして、訴えを棄却するよう求めている。基地建設を強行することは自治権を侵害し、憲法に違反するともしている。(2015/12/02-21:53

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