NHK 首都圏 NEWS WEB 2018年3月15日
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180315/0009268.html
「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書が書き換えられた問題で、今月7日に自殺した近畿財務局の男性職員が、上からの指示で文書を書き直させられた、とかこのままでは自分1人の責任にされてしまう、などといった内容が書かれたメモを残していたことが関係者への取材で分かりました。
検察当局は財務局の職員が本省から書き換えを指示されていたとみて詳しい経緯を調べているものとみられます。
森友学園への国有地売却に関する決裁文書をめぐって財務省は今月12日、14の文書で学園側との交渉の経緯などがまとめられた「調書」の部分などが300か所以上書き換えられていたことを明らかにしました。
その5日前の今月7日、近畿財務局で森友学園との国有地の取り引きを担当する部署に所属していた上席国有財産管理官の50代の男性が、神戸市内の自宅で自殺しているのが見つかりました。
関係者への取材で、この職員が上からの指示で文書を書き直させられた、といった内容が書かれたメモを残していたことが分かりました。
このメモは数枚にわたって書かれていて、決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ上司に書き直させられた、とか、勝手にやったのではなく財務省からの指示があった、このままでは自分1人の責任にされてしまう、冷たい、などという趣旨の内容も書かれていたということです。
このほか去年2月以降の国会で財務省側が学園との交渉記録は廃棄したとする答弁をしていることについて、資料は残しているはずでないことはありえない、などと疑問を投げかける内容も書かれていたということです。
検察当局は財務局の職員が本省から書き換えを指示されていたとみて詳しい経緯を調べているものとみられます。
男性職員がメモを残していたことについて財務省の担当者はおとといの野党6党のヒアリングで「コメントは差し控える。誰から誰に対し、具体的にどういう指示があったのかという点は引き続き調査している」と説明していました。
男性の親族は今月11日に取材に応じ、「去年8月に電話で話した時は元気がない様子で、『自分の中の常識が壊れてしまった。定期異動で今の部署から移れると思っていたのに異動できず、心身の不調が進んだ』と話していた。去年12月のメールには『年明けには職場復帰したい』とあったが、突然、今月7日に亡くなったと連絡があった。誠実で正義感が強く、愚痴や人の悪口を言わない人だったのでなぜ死んだのか知りたい」と話していました。