熱中症対策に万全を 大阪労働局が呼び掛け(5/6)
大阪日日新聞 2019年5月6日
大阪労働局は5月から9月まで、職場での熱中症予防対策を推進するためのキャンペーンを展開する。2018年は記録的猛暑の影響で、熱中症による休業4日以上の死傷者は過去最多の89人(速報値)に達した。気温や湿度などを合わせて示す「暑さ指数(WBGT)」計の活用などを促すほか、多発した業界の関係団体に予防策の実施を働き掛ける。
〔写真〕暑さ指数計の活用を呼び掛ける大阪労働局の担当者=大阪市中央区
府内の事業場における業務上での熱中症は、18年には休業4日以上が前年から62人増。これまで多くても三十数人だったのが急増し、記録が残る1999年以降で最多となった。
このうち3人(前年1人)が死亡した。記録的な猛暑日が大幅に増加した7月に、全体の約7割が集中。そのうち36件が梅雨明け時期の中旬に発生していた。
暑さに慣れるまでは十分に休憩を取り、1週間以上かけて徐々に体を慣らすとともに、その後も定期的な水分や塩分の摂取を習慣化するよう求めている。
業種別では、運送業が16人と最多だったが、警備業(13人)やビルメンテナンス業(6人)での多発も目立った。関係団体などに予防策を実施するよう働き掛ける方針だ。
全体の約4割が屋内で発生。湿度なども測れる暑さ指数計を準備せず、作業環境の把握や作業計画の変更ができていない例などが見られたため、暑さ指数の把握、緊急時の連絡体制の整備を呼び掛けている。
また、熱中症は短時間で容体が急変するため、早期の対応を促す。石和田隆之課長は「少しでも体調不良を感じたら、ちゅうちょせずに医療機関に行ってほしい」と強調。本人が大丈夫と言っていても救急車の要請が必要な場合があり、体調の悪さを申告しやすい雰囲気づくりも訴えている。
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大阪労働局などは、事業者向けの熱中症予防対策セミナーを17日、6月6日、7月1日、16日の4回、大阪市中央区の府立労働センター(エル・おおさか)で開く。受講料無料。全て午後2時から。要申し込み。問い合わせは電話06(6944)1191、大阪産業保健総合支援センター。
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地球温暖化はとどまることを知らない。しかも年齢が上がってくると、ますます身に堪えるようになる。厚生労働省では、職場が万全の準備を行えるよう熱中症対策の警戒を早めている。すでに本年は2月26日の段階で昨年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(速報値)」を発表するとともに「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」の実施を求めた。
平成30年の発生状況(速報値)をみると死傷者は1128人、死亡者は29人となっており、同29年と比較して死傷者数、死亡者数ともに2倍を上回る結果となった。厚労省が対策を強く呼びかけるのも無理はないだろう。
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