希望・早期退職、6年ぶり1万人超え 若手に原資回す (12/6)

希望・早期退職、6年ぶり1万人超え 若手に原資回す
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2019/12/6 17:04日本経済新聞 電子版

調査会社の東京商工リサーチは6日、2019年1〜11月の上場企業の早期・希望退職者の募集(または応募)が、1万人を突破したと発表した。年間で1万人を超えたのは6年ぶりで、18年1〜12月(12社、4126人)の約3倍の人数に上る。20年以降も、足元の業績が好調な企業を中心に既に7社、計1500人の実施が判明している。

大手企業ではバブル世代や団塊ジュニア世代の社員が多くなっている
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大手企業ではバブル世代や団塊ジュニア世代の社員が多くなっている
19年1〜11月に希望や早期退職を実施し、募集や応募の人数を公開したのは、上場企業(子会社含む)36社で計1万1351人だった。最も多いのは富士通(2850人)で、業界別では業績不振が目立つ電機が12社でトップ、次いで製薬が4社だった。

さらに20年以降も、味の素(100人程度)やファミリーマート(800人程度)など既に7社が計1500人の希望・早期退職を実施する方針だ。そのうち多くの足元の業績は堅調で、好業績なうちに人員構成を適正化する動きが目立ちそうだ。

20年に希望・早期退職を実施することを決めている企業は、業界大手が多い。大手企業では、バブル世代(19年に49〜52歳)や団塊ジュニア世代(45〜48歳)の社員数が多くなっている。一方で日本総合研究所の調査では、約1千社の約8割が「若手人材が不足している」と回答。社員数を年齢別に見ると、いびつな構造だ。

また、大手企業の賃金は年功序列型のため、50〜54歳の賃金が最も高くなる傾向にある。企業にとって中高年はボリュームコストになっており、その層を削ることで、今後の成長分野を担う人材に原資を割り当てる。

実際に早期退職を実施した大手企業には、新卒や若手の中途採用を増やしたり、高度な人工知能(AI)技能を持つ人材には1000万円以上の年収を払う制度を導入したりしている。

東京商工リサーチは「食品や消費財、小売業などは国内市場が成熟している。20年以降も経営体力のあるうちに既存事業を見直し、データ解析やマーケティングなど新分野の人材確保を急ぐだろう」と指摘する。 

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