三菱電機新入社員、社内発表会の直前に自殺 (12/7)

三菱電機新入社員が自殺 教唆疑いで教育担当上司を書類送検
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201912/0012940271.shtml
2019/12/7 23:10 神戸新聞NEXT

〔写真〕兵庫県警三田署=三田市天神1

 三菱電機に勤務する20代の男性新入社員が8月に自殺し、兵庫県警三田署が自殺教唆の疑いで、当時、教育担当だった30代の男性社員を書類送検したことが7日、捜査関係者らへの取材で分かった。職場でのパワハラを巡り同容疑が適用されるのは異例という。神戸地検は刑事責任の有無を慎重に判断するとみられる。

 捜査関係者らによると、男性社員は製造技術・装置の開発や、製品製造設計などを担う「生産技術センター」(同県尼崎市)に配属され、社内向けの発表会準備を進めていた今年8月下旬に三田市内の公園で自殺した。その際、教育担当だった男性社員から「死ね」と言われたことなどを訴えるメモが残っていた。

 教育担当の男性は社内調査に「死ねとは言っていないが、似たような言葉を使ったかもしれない」などと説明。三田署がこの男性らから事情を聴き、11月14日に書類送検した。自殺した男性に対し頻繁に罵声を浴びせていたという同僚の証言もあったという。

 三菱電機は「新入社員が亡くなったことは事実だが、それ以上は捜査中なので差し控える」としている。

 同社の技術職や研究職では2014〜17年、長時間労働などが原因で自殺者2人を含む男性5人が労災認定された。子会社に勤めていた40代の男性も17年、同県豊岡市の工場勤務時に過労自殺し、今年10月に労災認定された。17年には別の新入社員の男性=当時(25)=も職場でいじめや嫌がらせを受けて自殺したとして、両親が約1億1800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。

 阪神間に住む同社関係者は「組織を重視する社風で研修でも体力を問われる。個が重視される最近の新人にはきつい面があるかもしれない」と話した。

 


三菱電機新入社員、社内発表会の直前に自殺
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53093020X01C19A2000000/
2019/12/7 20:25 日経新聞

三菱電機の男性新入社員が自殺し、警察が自殺教唆容疑で上司を書類送検した事件で、男性は自殺した当時、社内向けの発表会へ向けた準備を進めていたことが7日、会社への取材で分かった。同社では過去にも社員の過労自殺や精神疾患による労災認定が相次ぎ、元社員は「パワハラが日常的で自浄作用はなかった」と話した。神戸地検は上司の刑事責任の有無を慎重に検討している。

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会社などによると、発表会は8月末の予定で、男性は同月下旬に自殺した。教育主任だった30代の男性社員が発表会の指導を担当。男性がこの上司に暴言を受けていたとの証言が同僚から得られたという。

〔写真〕三菱電機本社が入るビル(7日午後、東京・丸の内)=共同

一方、三菱電機の技術職や研究職では2014〜17年、長時間労働などが原因で自殺者2人を含む5人が労災認定された。うち、元研究職の30代男性はうつ病を発症したという。

取材に「(三菱電機は)極限まで追い込んで成果を出させる体質だった」と振り返った。研修時から怒鳴られ、配属後の職場は上司の「死ぬ気でやれ」といった怒声が延々と響き、社員の1割以上が精神疾患で休職したという。

企業にパワハラ対策を義務付けた女性活躍・ハラスメント規制法は5月に成立したが、罰則規定がなく、企業の対策義務にとどまっており、実効性に疑問の声がある。厚生労働省は来年6月の施行に向け、企業に対策を義務付ける指針策定を進めている。〔共同〕
 

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