就職氷河期世代に大朗報 政府支援で国家・地方公務員になれる
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200117-00000011-nkgendai-life
2010/01/17(金) 9:26配信 日刊ゲンダイDIGITAL
就職氷河期世代に大朗報 政府支援で国家・地方公務員になれる
昨年の新卒採用は売り手市場だったが…(C)共同通信社
【人生100年時代の歩き方】
就職氷河期世代の30代、40代に再挑戦の機会を与えようと、政府は本年度予算で約1300億円の「就職氷河期世代支援プログラム」を投入している。結婚することさえかなわなかった非正規雇用者を正規雇用に転換するのが主な目的だ。
◇ ◇ ◇
これが人生のセカンドチャンスになるのか。
政府は「就職氷河期世代支援プログラム」として、1344億円の予算を投じる。具体的には30代半ばから40代後半の非正規雇用者30万人を、農林漁業、観光業、自動車整備業、建設業などの正社員に転換する内容。内閣府の昨年の発表によれば、40歳以上のひきこもりは推計で61万人。40歳未満の約54万人を上回り、とくに就職氷河期世代と呼ばれる40代が4割ほどを占めている。この就職氷河期世代とは、1994年から2000年代半ばに採用試験を経験した人たちを指す。大学を卒業してみたが、厳しい就職難に遭遇し、今も不遇な労働環境に置かれた人たち。日本の少子化、将来的な医療・年金問題、生産性の低さにも密接に結びついている。
とはいえ、農林漁業などは今の若者でさえ就きたがらない不人気業種。莫大な予算を使った人手不足の解消事業とも言えなくもないが、ひとつ気になったのは、支援プログラムの最後に取り上げられている「その他の取り組み」だ。そこには「国家公務員・地方公務員の中途採用の促進」とある。つまり、公務員の中途採用の枠を今より増やし、なんなら試験の際に点数に下駄をはかせようというものだ。
例えば、厚労省本省は35〜49歳を対象に10人を採用予定。受験資格は過去1年間に正規雇用労働者として働いておらず、かつ2019年12月25日以前の5年間で正規雇用期間が通算1年以下の者。虚偽申告した場合は採用無効になることがあるという。というのも、07年にも「再チャレンジ試験」と称して国家公務員の中途採用を実施したが、合格者の多くが大企業からの転職組や子育てから復帰の主婦に偏り、氷河期世代の効果的な受け皿とはならなかったからだ。
さすがに前回の教訓を生かした格好だが、残念ながら厚労省の応募は先週10日で締め切られている。とはいえ、慌てることはない。全国の自治体が中途募集を始めているし、公務員の中途採用は「令和4年度までの間、政府を挙げて集中的に取り組む」(内閣府)。要するに、これから3年間は積極的に氷河期世代の中途採用を行うのだ。
「募集時期、採用数など詳細は未定ですが、本年度中から就職氷河期世代を対象にした採用を行います」
こう話すのは、東京都総務局人事部担当者。オリンピックまでは業務多忙だが、それが終わったら実施するようだ。
公務員の中途採用は東京都のほかにも、和歌山県や滋賀県、北九州市などが予定している。また現在進行形では、神戸市や岡山市が募集している(別表)。
神戸市は事務と技術職員10人程度を採用。4月に1次試験を行い、10月1日に晴れて公務員になる。選考は筆記(基礎学力)と面接、グループワーク。これならアラフィフのさびついた頭でも対応できそう。内閣府の選考も書類(経歴評定)と小論文、そして面接のみだ。
勤務条件や給与はどうなっているのか?
神戸市の例を担当者がこう話す。
「中途採用の給与面は現在検討中ですが、職務経験12年(34歳)の月給モデルは28万4100円となっています。今回の採用はこれよりもっと年齢が上の人もいますが、職務経歴等を考慮して加算されることもあります」(人事委員会事務局)
これとは別に扶養手当、住居手当、期末・勤勉手当(ボーナス=4・4カ月)なども加わる。
どうせ正規雇用になるなら、公務員が断然おススメだろう。