第168回 学生レポート 大学と就職と働き方について思う

《以下に掲載するのは森岡の担当する2011年秋学期の「応用政治経済学」(企業社会論)の受講生のレポートの一つです。就活で苦労しなんとか内定をもらっても、厳しい働き方が待ち受けている状況について考えさせられます。》

大学と就職と働き方について思う

『就職とは何か−<まともな働き方>の条件』(岩波新書)を読んで、私が思ったことを述べたいと思う。私達3回生は現在、就職活動真っ最中であるが、本書でもあるように近年の大学生の就活は早期化が甚だしい。入学して右も左も分からない不慣れな時から、キャリアセンターでは1回生向けの就活ガイダンスなるものが開催されている。大学を卒業すると大部分の学生は就職する時代であるから、1回生の時から就括・就職といった言葉に慣れさせておいて、他人事だと感じさせないようにするのも大切だとは思うが、1回生の時からであるとあまりにも早すぎるし、大学=就職するための施設だと思わざるを得ない。大学は、大学でしか学べない勉強や、自分の興味がある専門分野に深入りできる絶好の場所である。したがって、一昔前のように、就活は4回生の秋頃から一斉に始まるようにして、それまでは大学生は大学生らしく勉学にもっと励むような時代になってほしい。

 前述したように、1回生の時から就活のいろはが始まっている現在、せっかく早くから就活に取り組んで、苦労しながらも内定をもらい入社したとしても、たくさんの社会問題が私達を待ち受けている。本書を読んで最も印象深かったのは、過労死・過労自殺の問題だ。2009年度でいえば、過労自殺関連の労災申請は、20代〜30代が全体の半分以上を占めている。さらに、大卒者の比率が高いホワイトカラーが、職業別にみると全体の65%を占めているというこの状況は、近い将来社会人となる私達大学生にとって、過労死問題は就職するにあたって自分と隣り合わせの問題であるということだ。

そもそも過労死というのは、長時間労働・深夜勤務・拘束時間の長い勤務など労働時間が長すぎることが要因の1つとしてあるが、一応、国が定める労働基準法では、1週40時間、1日8時間までとなっている。しかし、会社と労働者の代表のあいだで36協定というものを結び、労働基準監督署に届け出ると、時間外および休日に何時間働かせても処罰を逃れられるという協定があるのには驚いた。しかも、大手志向がまだまだ根強い現代の若者たちには不運な話だが、キヤノン、パナソニック、三井物産や日立製作所など誰もが1度は聞いたことのある大企業も、多くがこの36協定を成立させている。36協定は、会社にとっては大きな武器になるが、労働者・従業員にとっては足枷以外の何物でもない。それなのになぜ、労働者たちは協定に参加する意志を示すのかが未だに疑問に思う。

早期化し、かつ長期化している現代の就職活動。しかし無事内定を取り就職できても、サービス残業をしなければならなかったり、年休がほとんど取れなかったりなど、入社してから抱える問題が山積みになっていると考えられる。それでも、自分が持っている可能性を信じ、まずは納得のいく内定先をもらえることに精進するつもりだ。

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