私事ですが、先月末をもちまして、関西大学経済学部を退職いたしました。
退職を機に、この20年余りのあいだに書き溜めた小論を集めて、拙いエッセイ集『教職みちくさ道中記』を桜井書店から出版しました。帯には次のようなコピーが載っています。鳥と自然、会社と社会、学びと遊びのウオッチ・スケッチ・絵トセトラ。「何のこっちゃ」とお思いでしょうから、以下に内容を紹介しておきます。
第?章「気まぐれバーディング」には、2001年12月から「森岡孝二のホームページ」にポストしてきた探鳥エッセイを収録しました。たんなる探鳥記は単調すぎておもしろみに欠けるので、テーマ性のある鳥談義にいくつか写真を入れて載せています。
第?章「単身遊学」には、関西大学の在外学術研究員として、1985年4月からほぼ1年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスというイギリスの経済系大学に遊学したときの想い出を、1988年天安門事件のときの中国旅行の印象記と合わせて収めています。
第?章「ニューヨーク通信」には、2001年4月からあの9.11までの半年、関西大学から在外調査研究の機会を与えられ、ニューヨーク市に滞在したときの見聞を、当時のEメール通信をもとに配列しました。同道した妻が家族に宛てたハガキ絵も掲載しています。
第?章「会社ウォッチング」には、1996年に株主オンブズマンが設立されてから最近まで、新聞に寄稿してきた企業のあり方に関する論説を収録しています。内容は企業統治に関するものが中心ですが、働き方に関する発言もあります。
第?章「ブックレビュー」には、2006年11月からほぼ3か月に1度の割合で、『週刊エコノミスト』誌に寄稿してきた30本の書評を集めています。評者である私の関心で選んだ結果、雇用・労働分野を扱った本が中心になっています。
第?章「働き方連続エッセイ」には、NPO法人「働き方ASU-NET」ホームページの「森岡孝二の連続エッセイ」欄に掲載してきた拙文を収めました。連載はこれで255回になりますが、ここには昨年11月までの34回分を選んで載せています。
自画自賛ながら著者としては写真あり、スケッチありの楽しいエッセイ集ができたと思っています。かなりの持ち出しをしたとはいえ、桜井書店の好意で、カラー印刷、317ページ、1800円+税という格安の本ができました。小遣いと時間が許せば手にしてみてください。