労働者派遣法改正案:与党、12日にも衆院厚労委の採決へ

毎日新聞 2014年11月10日 20時03分

 労働者派遣法改正案の審議を巡り、与党は審議時間は十分確保されたとして強行採決も視野に12日にも衆院厚生労働委員会での採決に踏み切る構えだ。一方、野党側は審議拒否はしない方針で、早ければ週内にも衆院を通過する見通しになっている。

 同改正案は、一部の業務を除いて最長3年までと制限されている派遣期間の規制を撤廃するのが柱で、民主党などは「派遣社員が増える」などとして反対している。

 また、民主党など4党は共同提出した「同一労働・同一賃金」推進法案の十分な審議も求めている。同法案は非正規労働者でも正規と同じ仕事なら同じ給与水準にすることを定めている。

 民主党幹部は「与党側が委員会の公聴会か参考人質疑をやらないまま、法案採決するようなことをすれば、野党7党が一致して反対する」とけん制する。

 一方、自民党国対は10日の会議で、週内の衆院通過を目指す方針を確認した。今国会会期末は30日で、延長しない場合、来週前半に法案を参院に送らないと会期内成立は困難になるためだ。

 厚労委の与党理事の一人は「改正法案の審議時間は、派遣法の成立時を上回るほど確保した。十分丁寧にやった」と語り、強行採決も辞さない姿勢を示した。【水脇友輔】

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