過労死防止へ法制定 衆院委可決 国の責任位置づけ

しんぶん赤旗2014年5月24日

 過労死のない社会をめざす「過労死等防止対策推進法案」が23日の衆院厚生労働委員会で、全会一致で可決されました。日本共産党を含む野党6会派が共同提出した過労死等防止基本法案や、法制定を求める遺族らの意見を踏まえて取りまとめられたものです。

 過労死防止対策の推進をうたった初めての法律で、過労死を法律で位置づけた意義を持つものです。国が実態を調査研究し、防止の取り組みに生かすことなどを求めています。

 意見陳述した全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表世話人は「日本社会を背負っていく若者が過酷な労働環境に追いやられ、優秀な人材をなくすことは日本の未来をなくすことです」とのべ、国をあげて防止対策をと訴えました。

家族らの運動実る

 日本共産党の高橋ちづ子議員の話 過労死防止の基本法案は昨年、与党と意見があわず、一時は暗礁にのりあげたかに見えました。私は、立法趣旨を国会に残すべきだと提案し、昨年の臨時国会に全野党で法案を提出しました。その後も家族らの粘り強い働きかけによって一致をみたのは、「働いて死ぬなんておかしい!」という訴えが誰も否定できない力をもっていたからです。国の責任で実態調査し、白書に結果を残すことが定められた意義は大きく、一日も早い「過労死のない社会」をめざし全力を尽くします

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