3月2日(金)に行われましたイベントにつきまして、遅ればせながらご報告をさせてい
ただきます。
過労死防止法制定のためのイベント、大盛況の御礼
ストップ!過労死 大阪のつどい〜過労死防止基本法の制定を〜
日時: 2012年3月2日(金)午後6時30分〜8時40分
会場: エル・おおさか南館5階ホール
講演: 木津川 計さん(雑誌『上方芸能』発行人、立命館大学元教授)
「命より大切な仕事って何ですか」
<プログラム>
1 開会挨拶+経過報告
「今なぜ過労死防止基本法か」 森岡孝二(関西大学教授)
2 講演
木津川 計さん(雑誌『上方芸能』発行人、立命館大学元教授)
「命より大切な仕事って何ですか」
3 泉南アスベスト弁護団より訴え
村松弁護士、奥田弁護士と原告
4 リレートーク(過労死遺族、働く現場からの声など)
*進行 岩城弁護士
?過労死遺族 西垣さん
?過労死遺族 塚野さん
?POSSE 川村さん
?地域労組 北出さん
?大阪労連 藤川さん
<北出の感想&報告>
「ストップ!過労死 大阪のつどい」が行われました。
講演会会場は満員で、内容も非常に充実したものとなりました。
木津川さんは、日本は昔から休まず働くのが「国の政策」により美徳とされてきたが、度
を越しているということを、「言葉」や「歌」を交えながら、わかりやすく説明しておら
れました。例えば、脱亜入欧の国家政策の下、「しばしも止まずに槌(つち)うつひびき」
という歌(村の鍛冶屋)などにより勤労讃美の価値観が小学校から叩き込まれてきた歴史。
「レジャー」は日本語では「余暇」と翻訳されているが、これも休まず働くことを賛美する
価値観を背景にした意図的な語訳ではないのか、ということなどです。
リレートークでは、息子を亡くされた西垣さん、夫を亡くされた塚野さんのトークが、会場
の涙を誘いました。
突然、過労死で大切な人を失った当事者の気持ちを考えると胸がつまります。川村さんは
「就職先がブラック企業であったらどうしよう」と相談に来る青年労働者の声を会場に伝
えていました。
北出は、ブラック企業の問題点や青年労働者の実情を、自らが団体交渉に出席する中で感じ
たことや自らの経験を交えながら語りました。
藤川さんは、教職員の「メンヘル」が続発する現場の多忙ぶりを、わかりやすく語っておら
れました。
【僕の夢】
《タイムマシーンににのって、お父さんの死んでしまう前の日に行く そして「仕事に
行ったらあかんで」というんや》
これは、過労自殺で父親を亡くした小学校一年生(当時)の「マー君」の詩です。
僕は、まわりの人間が過労やうつでバタバタと退職していく職場で働いてきました。
ブラック企業の残業代もまともに支払われない中での長時間労働の実態。
「正しい権利主張」をすること自体がはばかられる抑圧的な雰囲気。
これらは、青年部であれば、誰もが知っている、今のブラック企業の現状であるとい
えます。
うつ病の発症や過労の問題の「一直線」の「延長線上」に、過労死や過労自殺の問題は
存在しています。僕には、どうしてもこの問題が他人事だとは思えないのです。
法律ができても、過労で命を落とした人が生き返ることは絶対にありません。過去は変
えられないからです。でも、人間の社会は人間が作るものである以上、未来を変えて行
くことはできるはずです。そして、そのことによって「過去の持つ意味」を変えて行く
ことはできるのだと僕は信じています。
《一人で見る夢は、ただの夢。でも、みんなで見る夢は、いつか現実になる》。
「武器」ではなく「楽器」を手にとって世界を変えようと挑んだ男、ジョン・レノンの
言葉です。
過労死防止基本法の制定のために、どうか、みなさんのお力添えを。
「過労死のない社会をつくる」という夢を一緒にみていただけませんか。
北出 茂(地域労組おおさか、西区&青年部)