http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-01-31/2015013105_01_1.html
しんぶん赤旗 2015年1月31日
労働時間制度の見直しを議論している労働政策審議会労働条件分科会が29日夜、東京都内で開かれました。前回、厚生労働省が提出した骨子案について議論し、「過労死」を促進する「残業代ゼロ」制度の創設などをめぐって、労使の意見が大きく隔たっていることが浮き彫りになりました。しかし厚労省は、2月上旬に予定する次回分科会に報告書案を提出し、2月中に取りまとめる考えを表明。安倍内閣の意向を受けてごり押しする姿勢をあらわにしました。
労働者側は、骨子案にある「働き過ぎ防止」について、「実効的に労働時間を抑制できる内容ではない。これで過労死がどれだけ減ると考えているのか」(連合・新谷信幸総合労働局長)と批判。労働者側が求めてきた、労働時間の量的上限規制、終業から始業までに一定の休息時間を設ける勤務間インターバルなどが盛り込まれていないと指摘しました。
そのうえで労働者側は、「労働者側の主張が入っていないことについて、コンセンサス(合意)がないという。ならばフレックスタイム制の見直し、裁量労働制の見直し、特定高度専門職・成果型労働制の創設でもコンセンサスはない。なぜ、こういう具体的なものが入ってくるのか」(新谷氏)と語りました。
厚労省は、上限規制などを導入しても「現場が回るのか」などと使用者側の立場に立って、盛り込まなかったことを認めました。
年次有給休暇の時季指定を使用者に義務づける日数について、労働者側が8日、使用者側が3日を主張。長時間労働の抑制のためとしながら、実効性のないレベルにとどめたい考えを示しました。