原子力規制委員会 原発安全審査 “7月まで行わない”

国の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、NHKのインタビューに応じ、全国の停止中の原発について「基準ができないと審査のよりどころがない」と述べ、運転再開の前提となる安全審査は、安全基準ができることし7月まで行わないという考えを示しました。

全国の原発は、福井県の大飯原発の2基を除く48基が停止したままで、原子力規制委員会が、運転再開の前提となる安全審査を、いつ始めるのか注目されています。規制委員会の田中委員長はNHKのインタビューに応じ、停止中の原発について「基準ができないと審査のよりどころがない。相談に乗ることはあっても、『審査』というプロセスに入ることはできない」と述べ、安全審査は安全基準ができることし7月まで行わないという考えを示しました。

また、田中委員長は政権が交代したことについて、「政府からの独立性を高めた『3条委員会』として独立していることは相当強い。『3条委員会』にすることは自民党の案なので、『独立』は尊重してもらえると信じている」と述べました。

さらに田中委員長は、専門家会議が福井県の敦賀原発と青森県の東通原発について、先月、「断層が活断層の可能性がある」と判断した背景について、「科学とか客観的な事実をベースにして判断することにしゅん巡しなくなっている。今まではいろいろな思惑が働いていた面があったと思うが、今は気持ちの上で吹っ切れている」と説明しました。

そのうえで、「自治体から求められれば説明責任を果たそうと思う」と述べ、今後の規制委員会の最終的な判断について、原発の地元で説明する考えを強調しました。

この記事を書いた人