第169回 人間らしい働き方と生き方を求めて― 50万アクセスに想う

2012年3月21日午後6時29分、このブログのアクセスが2008年5月5日のスタートから数えて50万件に達しました。到達日時予想でピッタリ賞と前後賞各10名の方に近く出る森岡編『貧困社会ニッポンの断層』(桜井書店)を贈呈するという座興を企画しました。それに13名の方がご回答くださり、21日午後6時30分と回答された方が「ほとんどピッタリ賞」を獲得されました。

スタートから計算すると、1417日経っているので1日あたりの平均アクセスは353件になります。この連載の第73回「アクセスが開設3年足らずで30万件を超えました」(2011年3月4日)を見ると、1日当たりのアクセスは0〜10万件(486日)206件、10万〜20万(340日)294件、20万〜25万(109日)458件、25万〜30万(97日) 515件と尻上がりに増えています。最近では1日当たりのアクセス数は700件前後に増えており、まれに1000件を超える日もあります。

この機会にこれまでのご愛顧に感謝するとともに、今後はもっとまめに更新し、新しい情報の提供とコンテンツの充実に努めてまいりたいと思います。

この連載の第1回で私は「働き方は生き方」という意味を込めて「働き方はライフスタイル」(2008年5月12日)という題で書きました。「生き方」には自分で決めるものというニュアンスがあります。小泉元首相ではありませんが、「人生いろいろ」「生き方さまざま」で、彼の生き方と彼女の私の生き方とは違って当然とも言えます。

しかし、働き方はいろいろと気楽なことは言っておられません。「雇用形態の多様化」は進みましたが、働き方/働かせ方の選択の自由があるのは、企業の側であって、労働者の側は「正社員」で過労死するほど猛烈に働かされるか、パート・アルバイト・派遣・契約などの「非正社員」としてワーキングプアに追いやられるかの二つの働き方しかありません。それも労働者が自分で決めるのではなく、なかば強制的に振り分けられているのが現実です。

そこから逆に考えてみれば、生き方も今日では自分で決めることはますます困難になっています。ILO(国際労働機関)は、ディーセントワーク(まともな働き方)を実現するには、?労働時間の短縮を望むのに、非常な長時間労働を余儀なくされている者、?もっと長く就業したいのに週20時間未満しか働けないパートタイム労働者、?いつも同じまたは標準的な労働時間制度を望むのに労働時間が定まっていない者をなくさなくてはならないと提言しています

そうなって、労働者ははじめて「自分の働く時間を選択できる」ようになり、人間らしい働き方と生き方を手にすることができるのです。本ブログの50万アクセス到達にあたってあらためてそういう想いを強くしました。

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