映画『アリ地獄天国』(土屋トカチ監督)

労組加入でパワハラ…会社との闘い映画で描く 元トップ営業マンに密着のドキュメンタリー
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2020/3/28 19:20 (JST)3/29 00:00 (JST)updated ©株式会社京都新聞社

土屋トカチ監督と、上映が始まったドキュメンタリー映画「アリ地獄天国」のポスター(右上)=横浜市内
京都府舞鶴市出身の映画監督、土屋トカチさん(48)が製作したドキュメンタリー映画「アリ地獄天国」の上映が、各地の独立系映画館で始まっている。京都市でも近く公開される。

 「アリ地獄天国」は、大手引っ越し会社によるパワハラや違法な労務政策と闘う青年を描いた作品。昨年秋に山形県で開催された国際ドキュメンタリー映画祭で正式公開され、国内外の映画人から高い評価を受けた。
主人公はトップ営業マンだった青年。営業車で交通事故を起こしたことをきっかけに労働組合に加入すると、会社から激しいいじめや嫌がらせが始まった。土屋さんは、青年が労組の仲間とともに粘り強く異議申し立てを続ける姿に密着。98分の作品に仕上げた。
映画の中で、職場でいじめを受けていた親友を自殺で亡くしたという土屋さん自身の告白が織り込まれる。「友だちを救えなかったことが、この映画を撮る動機になった」と語る。国際映画祭などでは「ドキュメンタリーに深みが生まれた」と評価された。
土屋さんは大学を卒業後、東京に移り、働きながら映像制作を学び動画配信会社を経て独立した。労働や人権問題を積極的に取り上げ、過酷な条件で働く運輸労働者を描いた「フツーの仕事がしたい」は、英国の映画祭でベストドキュメンタリー賞を受けている。
「アリ地獄天国」は大阪市淀川区のシアターセブンで公開中。京都市南区の京都みなみ会館でも近く公開される。上映日程など問い合わせは同会館075(661)3993。

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