仕事激減バス添乗員が語る“非正規雇用”…稼働0日なら給料0円で「ただただ不安」 (2/27)

仕事激減バス添乗員が語る“非正規雇用”…稼働0日なら給料0円で「ただただ不安」
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200227/GE00031785.shtml
mbs 更新:2020/02/27 17:33

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、観光業界ではバスツアーが激減しています。特に「非正規雇用のバス添乗員」は収入がゼロになる期間もあるということで、不安な日々を送っています。

 2月27日午前10時半頃、奈良公園の近くにあるバスターミナルを訪れてみると、普段なら観光客を乗せた大型バスが頻繁に出入りしている時間帯にもかかわらず、閑散としていました。

 「うちの会社でもだいぶキャンセル入っていますし、激減ですね。」(バス運転手)
「今は月1本2本あったらいいところ。きょうはタイからの観光客なんですけど、人数はもの凄く減っていますね。」(バス運転手)

 相次ぐキャンセルに苦しんでいるツアーバス業界。中でも大きな影響を受けているのが、“非正規雇用のバス添乗員”です。

 「(添乗員が)バイトに行っているという話は聞きますね。働かないと仕方ないので、ツアーのガイドだと食べていけないのでと(言っていた)。」(バス運転手)

 20年以上ツアーバスの添乗員として勤務する40代の女性は、新型コロナウイルスの影響で国内のツアーが軒並みキャンセルとなり、仕事が激減したと言います。

 「不安しかないです。この先どうしていったらいいのか。会社も混乱している状態だと思う。今キャンセルの連絡がどんどん各所から来ている状態で。」(バス添乗員の女性)

 この女性にかかわらず、バス添乗員の多くは、派遣社員や契約社員といった非正規雇用で働いているといいます。大手企業が「在宅勤務」や「テレワーク」を推奨している中、非正規雇用ならではの問題点があると女性は話します。

 「(正社員なら)在宅であろうが出社しようが給料は毎月決まった基本給が出るかと思いますけど、多くの添乗員は派遣。出勤日数がないと給料が出ないというのがほとんどだと思うので、稼働しているのが0日だと給料が0円ということになってしまう。」

 雇用に深刻な影を落とす中、大阪労働局では2月14日から特別相談窓口を設置。新型コロナウイルスの影響による休業や雇い止めに関する相談が約300件寄せられているといいます。

 「会社側から『コロナウイルスの関係で』と(雇い止めなどの)原因を言われたとしても、それがどのような状況の中で雇い止めが判断され、会社の(経営)状況があるのかというのがありますので、このような労務環境・労務状況がありましたら、最寄りの労働基準監督署等にご相談頂ければと思います。」(大阪労働局雇用環境・均等部 佐藤英巳指導課長)

 ウイルスの感染拡大で添乗員の仕事が激減したと語った女性は、先の見えない現状に不安が募らせています。

 「働ける人がいるのに働けないというのが辛いことだと思います。体は動くし、働く意欲があるのに、働けないというのは…。今、何かしたいのに何もできないという状況が、ただただ不安です。」(バス添乗員の女性)


【Twitter】脇田滋@for_decent_work
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新型コロナで仕事激減の派遣添乗員など、非正規雇用労働者の切実な声を伝える
政府対策から漏れているのが、非正規雇用対策
仕事キャンセルで賃金を失う。正社員と違って給料保障がなく、多くがテレワークからも除外
労働者の4割を占める非正規雇用労働者への生活保障対策が必要だ
 

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