’20春闘 新型肺炎、賃上げ冷や水 交渉大詰め 業績懸念拡大 (3/5)

’20春闘 新型肺炎、賃上げ冷や水 交渉大詰め 業績懸念拡大
https://mainichi.jp/articles/20200305/ddm/008/020/117000c
毎日新聞2020年3月5日 東京朝刊

〔写真〕各社の回答が書き込まれる金属労協のホワイトボード=東京都中央区で昨年3月13日、根岸基弘撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が春闘にも影響している。労使交渉は大詰めを迎えているが、各組合が予定した大規模集会は感染防止のため中止を余儀なくされている。経営の先行き懸念も強まるばかりで、賃上げで消費や投資の底上げを目指すアベノミクスの「経済の好循環」にも冷や水となりそうだ。【袴田貴行、矢澤秀範】

 「経済の好循環の流れを堅持しなければならない。賃上げをもっと広げていく取り組みが極めて重要だ」。連合の神津里季生会長は3日、東京都内の連合本部から動画中継でこう訴えた。例年は約1000人を集めて決起集会を開催していたが、今年は新型肺炎の感染拡大をうけて中止を決定。代替措置として連合本部の会議室にテレビカメラを設置した「デジタル集会」として開催し、約20分にわたって賃上げの重要性をネット配信で訴えた。

 2020年春闘は11日に主要企業の集中回答日を迎える。自動車や電機などの労組で構成する金属労協本部(東京都中央区)などでは、朝から大勢の報道陣が詰め掛け、職員が各企業の回答結果をホワイトボードに記入する光景が春闘の「風物詩」となってきた。 

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