大阪市長選で橋下離れ!? 白票4万5000件超

Nikkansport.com(共同通信) 2014年3月24日

 「選挙に意義を見いだせない」。23日投開票の出直し大阪市長選では棄権が続出し、投票率は過去最低となった。出直し選を仕掛けた橋下徹氏にノーを突きつけようと白票を投じた人は4万5000人を超え、市民の“橋下離れ”を浮き彫りにした。

 2011年の大阪府知事、市長のダブル選で橋下氏に1票を投じた、東住吉区の電器店経営大久保貞子さん(77)は「人生で初めての不投票」を決めた。「多額の税金を使った身勝手な選挙。市民のことを全く考えていない」と憤慨する。

 「投票率を下げてやろうと思った。ささやかな抵抗です」。住之江区の女性会社員(34)は投票所に行かず、4月から小学校に入学する長女の自転車の練習を見守っていた。橋下市政下で「学童保育などのサービスが低下した」と感じ、棄権で不信任の意思を示した。

 城東区の無職女性(66)は白票を投じた。「橋下さんに期待していたけど、大阪はよくなっていない。裏切られた思いだ。白票の方が反対の意思を示せると思った」

 棄権した東住吉区の主婦上村十三子さん(76)は「何のための選挙か。二重行政の解消や議会との折衝は本来、首長がやらなければならない仕事だ」と、選挙の「大義」を疑問視。「結果として橋下さんが勝っても、どれだけの反対の声があるのかよく考えるべきだ。強引なやり方は許されない」とくぎを刺した。

 一方、橋下氏を支持した天王寺区の建設作業員高石規夫さん(59)は「最近『反橋下』の声が強まっているけど、彼の何かやろうとする姿勢に共感する。対立候補を立てなかった他党がひきょうだ」と強調した。

 同様に橋下氏に投票した住之江区の男性会社員(52)は「彼はただ人をねじふせるばかりで、上手にまとめる力がないね」。期日前投票を済ませていた阿倍野区の女性会社員(34)は「都構想を引っ込めてはならないが、時間をかけてやるべきだ。茶番で無駄な選挙には付き合いきれない。もう最後にして」とうんざりしていた。(共同)

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