毎日新聞: パワハラで自殺と労災認定 福井市の19歳男性

2012年07月27日

福井市の消火器販売会社で働いていた男性(19)が2010年12月に自殺したの は上司からのパワハラが原因として、福井労働基準監督署が労災認定していたことが2 7日、分かった。同市内で記者会見した遺族の代理人は「未成年の自殺者が労災認定を受けるのは異例」としている。認定は24日付。

代理人によると、男性は10年2月、消火器販売会社でアルバイト勤務を始め、高校卒業後の同年4月に正社員として入社。しかし次第に精神のバランスを崩し、同年12月に自殺した。遺族は11年9月に福井労基署に労災申請した。

福井労基署の認定によると、上司2人による嫌がらせが激しくなったのは10年秋ごろ。男性の手帳には、「死んでしまえばいい、もう直らないのならこの世から消えてしまえ」「そんなやつ辞めろ、死ね、自分を変えろ」などの上司の文言が記載されていた。上司に手帳に記すよう命じられたという。

本来業務以外の仕事も強いられ、A4判1枚の紙に書かれた男性の遺書には「大嫌い」と上司への思いが書かれていた。

男性の父親は書面で「今回のパワハラの決定も形を変えたいじめと同じ。会社には誠意を示してほしい」とコメント。会社側は「担当者が不在で、答えられる者がいない」 とした。

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