パナソニックは30日、4カンパニー(社内分社)の社長による2013年度から3カ年の中期経営計画の説明会を東京都内で開き、自動車・産業機器事業では3年間で海外を中心に約5000人を削減する方針を示した。また、薄型テレビなどへの積極投資が2年連続の巨額赤字を招いた経緯を踏まえ、投資を抑えて他社との提携に活路を求める「脱自前主義」を強調した。
自動車・産業用機器事業を担う「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社」は、赤字の6事業を14年度までに黒字化する計画。回路基板事業で国内外6拠点を3拠点に集約するなどし、同社全体の人員約11万1000人(12年度末)を、15年度末までに10万6000人程度に圧縮する方針だ。
また、韓国メーカーとの競争激化で赤字の2次電池事業では、成長市場であるスマートフォン(多機能携帯電話)向けで、他社からのOEM(相手先ブランドによる受託生産)供給を活用。15年度の売上高は12年度比7%増で、カンパニー最大の2兆7000億円、営業利益は12年度比で4.6倍の1360億円に拡大する計画。
旧パナソニック電工の事業を中心とした「エコソリューションズ社」は、アジアで配線器具事業などを拡大。太陽光発電の遠隔管理事業などにも参入し、15年度の営業利益は12年度比約4割増の860億円を目指す。【宮崎泰宏】