行政・政治 : 子供ができたら仕事を辞める 茅野市の20代女性の5割が回答

長野日報 2013-11-10

 20代女性の52%が「子供ができたら仕事を辞め、(子供が)大きくなったら再び仕事を持ちたい」と考えていることが、茅野市が女性を対象に実施した仕事と家庭に関するアンケート調査の結果で分かった。市は「『夫は外で働き、妻は家庭を守る』という考えに賛成する若者が増えてきた」としている。

 20代独身の回答は54%で、さらに意識が高まる。市は「長時間労働の正社員か安い賃金の非正規社員の状況にあり、『子育てしながら働きたい』という気持ちにならないのでは」とし、背景に「女性だけでなく若者の厳しい雇用環境がある」と指摘する。

 30代になると「結婚、育児に関わらず、できるだけ仕事を持った方がよい」が37%に増え、「子供ができたら仕事を辞め―」と同数になる。しかし30代の就労率は69%(全体は77%)で、年代別では最低。理想と現実の格差が浮き彫りになっている。

 30代はまた、結婚、出産、育児のいずれかで退職し、再就職した際に「派遣・パート・アルバイト」で働く人が76%(退職しない場合だと25%)に上る。市は「再就職での正規雇用や、子育てと仕事の両立が難しく、女性が一生の仕事として資格を得ても、生かされていない状況にある」と分析する。

 このほか、家事と子育て、介護の役割分担は「主に自分」が46%、「主に配偶者」が1%、「夫婦で協力」が26%、「家族が分担」は18%だった。夫婦の協力は年代別だと40代の35%が最多。他方、働きながら介護を担う女性が全体で37%に上っている。

 女性が仕事を続けるために必要な取り組み(複数回答)は、「家族の協力」が最多で77%。続いて「保育園・学童保育の充実」(45%)、「子育て後の再就職・再雇用制度の充実」(41%)、「職場の上司、同僚の理解」(41%)、「企業の育児・介護休暇制度の充実」(37%)、「利用しやすい高齢者介護サービス」(25%)だった。

 調査は1〜2月、今年度策定する第3次男女共同参画計画(2014年度から5カ年)に反映するため、市内在住の20〜60代の女性2000人を対象に実施。648人(32・4%)が回答した。

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