ワタミに初の労働組合 「ブラック」批判受け

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160616-00000043-asahi-bus_all
朝日新聞デジタル 2016年6月16日

ワタミの居酒屋「坐・和民」の店舗=2015年7月、東京都内 (省略)

 居酒屋チェーン大手のワタミで初めて労働組合が結成された。グループの正社員約2千人と、アルバイト約1万5千人の大半が入った。流通、繊維業界の労組を束ねるUAゼンセンが支援し、1月から結成の動きが進んでいた。ワタミによると、1984年の創業以来、企業別労組はなかったという。

  5月16日、労組「ワタミメンバーズアライアンス」(組合員数約1万3千人)が結成され、入社すると同労組に加入することになる「ユニオンショップ協定」を労使で結んだ。

  同社の経営陣はこれまで、「社員は家族だ」といった経営理念から労組に否定的だったが、長時間労働などで「ブラック企業」と批判され、業績も悪化。労務管理を見直してきた。

  ワタミでは2008年に新入社員が過労自殺し、当時の代表取締役や同社が訴えられ(昨年12月和解)、企業体質への批判が集まった。客離れで業績も悪化する中、「批判にきちんとした対応が必要になり、色々な取り組みをするなかで、(社内に労組をつくる雰囲気も)醸成されてきたと思う」(塚田武・執行役員)という。

  これまでは社員アンケートで労務状況を把握してきたが、労組結成により、組合員の声が直接届くことに期待しているという。(北川慧一)

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