SankeiBiz 2014.3.18
厚生労働省は18日、今春卒業予定の高校生の就職内定率が1月末時点で9割を超え、初めてリーマン・ショック前の水準を上回ったと発表した。一方、大学生の内定率(2月1日時点)は82.9%と3年連続で改善。同省では公共事業の増加による景況感の改善が影響したとみている。
厚労省によると、就職を希望する全国の高校生約16万8千人のうち、約15万2千人の就職先が1月末時点で内定。内定率は90.7%(前年同期比2.4ポイント増)で、平成20年秋のリーマン・ショックの影響を受けなかった同年3月の卒業生の内定率(89.4%)を初めて上回った。アベノミクスによる公共事業の増加を受け、求人が建設業で対前年比35%、警備などのサービス業で20%伸びたことなどが要因とみられる。
一方、全国の国公私立大62校の学生らを対象に行った抽出調査では、大学生の内定率は2月1日時点で82.9%(男82.2%、女83.7%)となり、前年同期比1.2ポイント増加。文系81.2%、理系90.7%で「リケジョ(理系の女子)」が牽引した。
地域別では、関東地区88.3%▽近畿地区83.4%▽中部地区81.0%−などは高水準だが、地元への就職志向の強い中国・四国地区73.2%▽九州地区74.8%−では落ち込んだ。
景況感の回復から昨年12月の調査時と同様、卒業予定者に占める就職希望者は75.5%と過去最高を維持。なお約7万3千人が内定を得られていないと推計され、厚労省では「一部で厳しい地域もあり、大学生はリーマン・ショック前の水準にまだ届いていない」と説明。ハローワークなどで新卒者への支援を続ける方針。