福島県警: 上司パワハラ 警部自殺、一因と認め戒告

毎日新聞 2014年06月26日

 福島県警は26日、4月下旬に自殺した男性警部を含む捜査2課の警部3人にパワーハラスメントをしたとして、上司の清野(せいの)隆行・捜査2課長(45)=警視=を戒告の懲戒処分にしたと発表した。調査の結果、パワハラが警部の自殺要因の一つと認定した。27日付で県警警務部付に更迭する。

 県警監察課によると、捜査2課の課長補佐の警部(当時51歳)と指導官の警視(当時52歳)の2人が相次いで自殺したことを受けて、同僚ら41人から話を聞いた結果、清野課長が昨年5月ごろ〜今年4月ごろ、3人の男性警部にパワハラをしていたと結論付けた。

 清野課長は昨年12月〜今年4月、自殺した警部の文書を決裁する際、「小学生みたいな文章を作るな」「国語を習ってきたのか」などと同僚の前で言い、文書1枚あたり3、4回訂正を求めることもあった。他の2人に対しても、同僚の前で「あんたは係長以下だ」「書類が書けないなら外に出るな」など人格を否定するような叱責をしたという。

 清野課長は1993年に警察庁に入り、昨年3月から現職。県警の調査に「当時は指導の範囲と思い、パワハラと認識していなかった。部下に多大な精神的苦痛を与えたことを深くおわびします」と話したという。

 自殺した警部は、4月の時間外労働は142時間、休日は1日で、県警は心身の疲れも一因と判断。警視の自殺については、直属の上司として警部の自殺に責任を感じたのが原因と結論付けた。

 自殺した警部は1月には同僚に「最近眠れない。上司がひどい」と相談していたが、県警はパワハラを把握していなかった。今後は全職員のメンタルヘルスのチェックをするなど再発防止に努めるとしている。【小林洋子、宮崎稔樹】

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