雇用障害者数水増し、労働者健康福祉機構を告発

Yomiuri Online 2014年11月17日

 厚生労働省が所管し、全国で労災病院を運営する独立行政法人「労働者健康福祉機構」(川崎市)が雇用する障害者数を水増しして虚偽報告していた問題で、神奈川労働局は17日、機構に障害者雇用促進法違反(虚偽報告)の疑いがあるとする告発状を横浜地検に提出したと発表した。

 障害者の雇用を巡る虚偽報告の告発は全国で初めてだという。

 発表などによると、機構は、実際の障害者雇用率が2012年は0・94%、13年は1・42%だったにもかかわらず障害者数を増やすなどして、12年は2・12%、13年は2・32%と法定雇用率(2・1〜2・3%)を上回るよう虚偽報告をしていた疑いがある。

 虚偽報告は遅くとも10年からあったが、告発は公訴時効(3年)にかからない2年分が対象。機構は弁護士などを交えた第三者委員会を設置して詳細を調査しており、同労働局は虚偽報告を指示した職員らを特定して追加告発することも検討している。虚偽報告の罰則は30万円以下の罰金。

 厚労省は、機構に出向していた同省幹部職員に虚偽報告の認識があったとして、18日付で高崎真一・大臣官房審議官を大臣官房付とするなど4人の更迭人事を発表した

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