学生だけでなく中高年も…「ブラックバイト」の厳しく過酷な実態

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Never まとめ 2015年04月30日

ブラック企業がこき使うのは何も社員だけではなく、アルバイトにさえ過酷な仕事の要求をしていることが増えています。企業が非正規雇用の志向を強める中、正社員の業務をアルバイトに肩代わりさせる「基幹化」が進んでいるようです。
 

■誰も文句を言わない「中高年ブラックバイト」の現場

◆倒産して夫婦でバイト生活。多忙な自動車部品工場で働く

●Bさん・男性(52歳)静岡県/前職:自動車販売

●前職の年収:480万円/現在の年収:235万円

2人の子供が独立し、ようやく自分の人生というタイミングで勤めていた自動車販売店が倒産。Bさん(52歳)は残った住宅ローンのため、夫婦でバイト生活に入った。

出典:誰も文句を言わない「中高年ブラックバイト」の現場 | 日刊SPA!

「僕は販売店の営業職で疲れ果てたので、時給1000円の自動車部品工場にしました。組み立てやライン工は非常にハードワークなため20〜30代が中心で、50代となるとフォークリフトや代車を使っての場内運搬。ただし人員数が少なすぎて相当に多忙です。工場内は走って移動しないと怒られるほど。工場は3交代なんですが、代員がいないため親が死にでもしない限り休めない。同じ班で休んだ人間がいれば、夜勤の後に1時間仮眠でそのまま朝勤とか、仮眠を取りつつ3勤して2日休みなど、現場では『超人シフト』と言われてます。法令違反のオンパレードですが、何より驚いたのは、誰も文句を言わないことなんです」

出典:誰も文句を言わない「中高年ブラックバイト」の現場 | 日刊SPA!

Bさんの悩みは親のこと。遠くない将来、介護が始まれば妻はバイトができなくなる。
「そうなったらローンが払えず、自宅は差し押さえでしょうね」
50代にして晩年の人生設計が破綻してしまったようだ……。

 

出典:誰も文句を言わない「中高年ブラックバイト」の現場 | 日刊SPA!

■「お前の価値は1円だ」と居酒屋店長に罵倒された 「学生ブラックバイト」の実態公表

大学教授やNPOなどでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」は4月28日、厚労省記者クラブで会見を開き、過酷な長時間労働などを強いられる大学生の「ブラックバイト」に関するアンケート調査の結果を報告した。

調査を行った法政大学の上西充子教授は「ブラックバイトの学生は、店舗の都合で、勝手にシフトに入れられたり、残業をさせられたりしている。人件費を抑えようという意識が強い居酒屋バイトは、特にその傾向が強い」と述べ、特に「居酒屋バイト」を問題視していた。

出典:店長から罵倒…居酒屋バイトに苦しむ学生の実態 12時間休憩なし? – ライブドアニュース

●居酒屋バイトの90.7%が深夜時間帯に勤務

調査は2014年7月、全国27の国公私立大学で授業などの際に調査票を配布して、約4700人から回収した。その結果、76.4%にあたる3593人が大学生になってからアルバイトを経験していたことが分かった。

このうち、就業時間の記載のある学生2150人を分析したところ、「深夜時間帯(22時〜5時)に勤務がある」と答えた学生は、全体で42.8%なのに対し、居酒屋バイトでは90.7%に達した。また、現在、居酒屋バイトをしていると回答した228人のうち、「休憩が取れていないことがある」と回答した人の割合が48.2%と、全体平均24.5%の倍近くにのぼった。

さらに、深夜勤務を行っている学生は、職場から労働条件を記載した書類を渡されていない、募集内容と実態が違うなど、職場の管理が行き届いていない傾向が強かったという。

出典:店長から罵倒…居酒屋バイトに苦しむ学生の実態 12時間休憩なし? – ライブドアニュース

記者会見では、ブラックバイトに苦しむ学生からの労働相談に応じている「ブラックバイトユニオン」に寄せられた相談事例が紹介された。

個人経営の居酒屋で働く大学生の男性は、週5〜6日でシフトに入っている。店長にシフトを減らしたい、休みたいと告げると、「お前に休む権利はない」と怒鳴られるため、やむを得ず週5〜6日の勤務を続けている。

勤務時間は、午後7時から午前2時、休日は午前5時までで、休憩はない。しかも、営業終了後は他の店員を車で自宅まで送り届けなければならないため、仕事から解放されるのは朝7時ごろになることもあるという。男性はその後、朝10時すぎに大学へ向かうが、授業中はほとんど寝てしまっているそうだ。

男性は店長に叩かれることが頻繁にあり、さらに「お前の価値は1円だ」「お前の人生なんて塵と同じだ」などと罵倒されるため、恐怖心で店長に反論できず、理不尽な扱いを受けながらも仕方なく働いているそうだ。

出典:店長から罵倒…居酒屋バイトに苦しむ学生の実態 12時間休憩なし? – ライブドアニュース

●ブラックバイトを辞められない理由

明らかに不当な扱いを受けているのに、なぜ学生はブラックバイトを辞めないのか。アンケート調査を行った中京大学の大内裕和教授は、「『バイ活』『人間関係の構築』『労働の高度化』が、学生がブラックバイトを辞められない原因」と語る。

「バイトの面接では、『授業があるからあまりシフトに入れない』と言うとすぐに落とされ、10社以上平気で落ちている学生も多い。今のバイト先を辞めれば、そんな『就活』ならぬ『バイ活』でまた苦労することになる。

辞めてしまうと、人間関係を一から構築するのも大変だ。さらに居酒屋は単純作業ではなく、ある程度高度な業務を求められるので、違う職場で違う仕事のやり方を新たに覚えていくのが大変だという理由もある。

 

出典:店長から罵倒…居酒屋バイトに苦しむ学生の実態 12時間休憩なし? – ライブドアニュース

そもそも自分のバイト先がブラックだと気づかず、『他の職場も同じだ』と思っている学生も多い。ただ、ブラックバイトと気づいていても、そうした足かせのせいで、辞めて新しい職場にいくことを躊躇している学生は少なくない」

大内教授はこのように述べていた。

 

出典:店長から罵倒…居酒屋バイトに苦しむ学生の実態 12時間休憩なし? – ライブドアニュース

■リストラ中高年が飛び込んだ「新聞拡張員のブラックな世界」

◆暴力と怒号が支配する職場! フルコミ営業職の新聞拡張員

●Mさん・男性(51歳)埼玉県/前職:印刷会社営業
●前職の年収:550万円/現在の年収:320万円

胃がんになって手術し、退院したら前職の印刷会社をクビになっていたというMさん(51歳)。

 「体は多少、弱くなってもまだまだ営業職でやれる、という自信があり、ブラックを承知で新聞拡張団の世界に飛び込みましたが、想像以上に壮絶でした。同時期に28人入って、1年後に残ったのは僕ともう1人のみ。理由は激しすぎるノルマ制です」

 

出典:リストラ中高年が飛び込んだ「新聞拡張員のブラックな世界」 | 日刊SPA!

Mさんの拡張団は、刺青入りと元営業職のリストラ中高年の混成部隊。社会保障も福利厚生も一切ないフルコミ営業職だ。

 「上げるカード(契約数)の少ない新人に対して、団長の殴る蹴るは日常茶飯事。僕の場合、週間目標を達成できなかったとき、剃れないバリカンで頭を丸坊主にされました。私物を燃やされたり、真夏に分厚いジャージ着せられて『汗かいて根性入れ直してこい!』なんてやられた者もいる」

  とはいえ、トップ団員は今でも年収600万円以上を稼ぎ、Mさんも60万円稼いだ月もあった。

 「これでもポスト団塊世代の元営業職には肌が合うんです」

  体力が持てばいいが……。

出典:リストラ中高年が飛び込んだ「新聞拡張員のブラックな世界」 | 日刊SPA!

■ブラックバイトは利益至上主義をとる企業の経営戦略の末路

自腹購入を迫られる大手コンビニ。お中元や各種催事商品には、学生アルバイトを含めて個人ごとにノルマがある。

「アルバイト一人一人に対して、クリスマスはケーキやチキンなどを三件、お中元は三件、恵方巻き関連商品は五件、土用の丑の日に千円ほどのうな重を三件、といった具合だ。家に小さい子どもがいるわけでもないのに、ひな祭りやこどもの日の商品を買うようにも勧められた。おでんの販売を開始する九月は、おでんの具の予約を一〇〇個取るノルマが与えられた(略)出費は七千円だ。ひたすら親戚に電話をかけて買わせようとしたが、結局それでも売り切れなかった分は数回分の夕食になった」(同書より)

 

出典:「ブラックバイト」の過酷すぎる実態と学生たちの苦しみ – ライブドアニュース

大手コンビニにとってはアルバイトも自社商品の「客」なのだ。

「おせち料理は一つ約二万円もする。お歳暮やお中元は一つ三千円程度から五千円以上のものまであり、それらをアルバイト一人当たり三つのノルマで買わせれば、一人一万円の売上げを確保できる。また別のコンビニの学生アルバイトによれば、土用の丑の日のうな重の販売ノルマが課せられるのだが、わざわざコンビニでうな重を購入する客はほとんどおらず、ほぼすべてのうな重を従業員の購入によって消費しているという」

出典:「ブラックバイト」の過酷すぎる実態と学生たちの苦しみ – ライブドアニュース

高校生のアルバイトに毎月数万円もの「買い取り」を命じていた大手ジーンズショップもあるほどだ。

 しかも、ブラックバイトだとわかっても、なかなか抜け出さないような「過剰な組み込み」にがんじがらめだ。「今日、来れないか」というLINEを通じた呼び出しなどの連絡は24時間休みがないうえに、長時間労働に深夜勤務で、考える、周囲に相談する時間を与えない。大学生には「学生は高校生まで」「学生気分を捨てろ!」と要求するのだ。

「勤務時間外も職場の一員として常に臨戦態勢にあり、シフトも職場に合わせて決定され、長時間の労働があり、時には多店舗を任される。これらは、学生のアルバイトがその会社にとって重要だというだけで足りず、必要不可欠な戦力になっているがゆえである」(同書より)

 

出典:「ブラックバイト」の過酷すぎる実態と学生たちの苦しみ – ライブドアニュース

暴力的な支配も横行する。

「あるとんかつチェーンでは、数店舗を束ねる店長がほとんど現場に姿を現さず(略)、たまに姿を現すと思うと『俺は昔ヤンキーだった』などとちらつかせて、実際に昔の『元ヤン』の仲間をこれ見よがしに連れてきて、従業員が店長の意思に反した行動をとったときのために、にらみを利かせることがあった。そのうえで、学生アルバイトが休みの相談をすると、学生の左耳が数週間難聴気味になるほど、一時間にわたる怒号と説教を浴びせかけたと言う。仕事のミスなどで見せしめに殴られている先輩のアルバイトを見たこともあり、この学生アルバイトは自分が休んだり辞めたりすることができるのか怖くなった」(同書より)

 いざ辞める際にも、50万円を超える迷惑料や違約金を請求されるケースもあり、辞めるに辞められないのだ。当然ながらこうした請求は法的な効力は一切なく、即座に辞めることをお勧めしたいのだが。

出典:「ブラックバイト」の過酷すぎる実態と学生たちの苦しみ – ライブドアニュース

こうしたブラックバイトは利益至上主義をとる企業の経営戦略の末路ともいえる。

「企業の利益目標はまず店長・オーナーに降りかかり、これは最終的に『戦力化』した学生に至る。業績を上げる責任が、『企業(本部)』→『店長』→『学生』と次々に転嫁し、最終的に売り上げに責任を持つのは末端の『学生アルバイト』になってしまうというわけだ。そこにはわずらわしい作業を学生に押し付けることも含む」(同書より)

 社員を使い捨てしたブラック企業は、次は学生アルバイトを食い物にして肥大化しようとしているのだ。

出典:
「ブラックバイト」の過酷すぎる実態と学生たちの苦しみ – ライブドアニュース

■すき家で「もう無理です…!うう」という悲鳴 店員さんが倒れていたというツイートが話題に

店舗にて一人で作業を行う“ワンオペ”などが問題視され、「ブラック企業」と批判された“すき家”。その改善をうたっていたのだが、4月19日のとある『Twitter』ユーザーのツイートが現在話題になっている。

昼飯にすき家高円寺店に行ったら、店内全ての席に食べ終わった食器が放置されてて、ワンオペで忙しいのかなと思い、別に急いでないから気長に待ってたら…厨房から店員の「もう無理です…!うう」という悲鳴のような声が…何事かと思い中を覗いたら店員さんが倒れてた、ずっと忙しくて限界とのこと。

 

出典
すき家の店員が「もう無理です」と倒れていた? 大きな話題に – ライブドアニュース

と、店員さんに限界がきて倒れてしまっていたとのこと。翌20日15時の段階で9000件以上リツイートされていた。ツイート主さんは、倒れた店員さんを放っておくわけにはいかないということで、新しい店員が来るまでいろいろと助けて対応していたようである。

 

出典:すき家の店員が「もう無理です」と倒れていた? 大きな話題に – ライブドアニュース

この会見の僅か10日しか経ってない。ありえないわ…
ともツイートしていた。

従業員にとっての「すき家の春」は、まだ遠いのであろうか。

出典:すき家の店員が「もう無理です」と倒れていた? 大きな話題に – ライブドアニュース

■ブラック雇用主が「中高年バイト」を使いはじめた理由

最近では中高年の労働市場でも「ブラックバイト」が注目され始めた。薄給で過酷な労働を強いられる50〜60代の中高年層に対して、“安価で良質”な労働力として目を付け始めた経営者も多い。積極的に中高年アルバイトを雇い入れている経営者の思惑に迫ってみた。

 「まず我慢強い。年を食って社会を知ってるだけに上の指示は聞く。ひと言でいえば使い勝手がいい。多少の無理使いも文句を言わない。で、安価で済むし、切りやすく便利なことこの上ないね」

出典:ブラック雇用主が「中高年バイト」を使いはじめた理由 | 日刊SPA!

大阪府で産廃事業を経営する江口友成氏(仮名・42歳)はこう語る。数年前まで20代、30代の若年層を雇い入れていた。だが日給への不満や、文句の多さに辟易としていたところ、同業の仲間に相談すると「50代以上の年配のオジサンを雇うといい」という意外な答えが返ってきた。

  半信半疑でハローワークに募集を出すと1人の募集に30人近くの応募があった。そこで試しに1人雇ってみたという。

 「住宅ローンを抱えているという55歳の人間だったけど、若いのと違って根性があった。家族持ちで責任感も強い。これはアリだなと思って、以来、ウチはもう50代以降に絞ってる」(江口氏)

出典:ブラック雇用主が「中高年バイト」を使いはじめた理由 | 日刊SPA!

人は家庭や借金返済という目標があれば辛い仕事でも耐えられる。中高年にはそれがある。

 「うちは借金持ち大歓迎。多少、過去に足を踏み外した人間でも大丈夫。きちんと使いこなすから」

  神奈川県内で鉄工所を営む林勇氏(仮名・45歳)はこう語る。2代目の林さんは父の代から「借金持ち」「バクチ狂い」の雇い入れを積極的に行なってきた。

 「借金するタイプはカネへの執着がない。決まった日に給料を渡せばそれだけで満足するからね」

出典:ブラック雇用主が「中高年バイト」を使いはじめた理由 | 日刊SPA!

ハローワークを通じて求人を出しているが、「求人票は嘘だらけ」(林氏)だと言う。長時間労働とサービス残業のオンパレードだが、働く中高年から文句を言われたことはほとんどないとか。どちらの経営者も結局は立場の弱い中高年につけ込んでいるだけ。そう思うのは気のせいだろうか。

出典
ブラック雇用主が「中高年バイト」を使いはじめた理由 | 日刊SPA!

■学生だけではない!増える40代後半から50代、60代のシニア層を対象とする“中高年ブラックバイト”

中高年ブラックバイトにハマるのは、意外にもかつて正社員などの職に就いていた者、とりわけ営業職などのホワイトカラー職にあった者が多い。雇用制度、コンプライアンスがきちんとしていた企業に長年勤務していた者ほど企業側の「安く人をこき使いたい、使い倒したい」という希望とピタリと符合するからだ。

 警備員のアルバイトをする吉田光明さん(仮名・57歳)は、大卒後新卒で勤めた印刷会社を53歳で退職勧奨後、ヘッドハンティング業者の斡旋で再就職した企業に馴染めずすぐに退職。仕方なく現在の警備員のアルバイト職に就いた。

出典:長時間労働でも年収は3分の1に…急増する中高年フリーターの悲劇 – DMMニュース

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