http://mainichi.jp/select/news/20150625k0000m040050000c.html
毎日新聞 2015年06月24日
記者会見で自らのマタハラ被害体験を語る豊田智子さん(右)と、話を聞いて涙をぬぐう西原ゆかりさん=東京都で2015年6月24日、山田泰蔵撮影(省略)
職場で妊娠や出産を理由に退職を迫られるなど「マタニティーハラスメント」(マタハラ)を受けたとして勤務先会社などと係争中の女性5人が24日、東京都内で記者会見し、被害体験を語りながら法整備によるマタハラ根絶を訴えた。
関西の鉄道会社で働く豊田智子さん(36)は長男が生まれて3年間、育休や短時間勤務制度を利用した。昨年、8〜10時間の長時間不規則勤務の職場に異動させられ、夫と時間調整しながら努力したが、働き続けることは難しかった。上司に勤務時間への配慮を申し出ると「私は両親の介護のために妻に会社を辞めさせた」などと辞職を迫られた。「追い詰められて自分から辞めなければならないのか。子供を育てつつ働き続けられる社会になってほしい」と憤った。
大手介護会社の事業所で働く北九州市の西原ゆかりさん(34)は2013年、妊娠を所長に伝えた後も体に負担のかかる業務をさせられた。所長に相談すると「働く覚悟はないのか」と責められ、本部の責任者からは「裁判したらええやないか」と怒鳴られた。西原さんは「上司から始まった無視が同僚にも広がり、うつ病にもなった」と話した。
5人を支援するマタハラNetの新村響子弁護士は「法律でマタハラの定義を明確にし、何がマタハラに当たるかの具体例を広く周知すべきだ」と訴えた。【山田泰蔵】