学生から「オワハラ」相談、大学・短大の7割に

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朝日デジタル 2015年7月30日

 大学と短大の7割近くが、就職活動中の学生から企業のハラスメントを受けたと相談されていたことが、文部科学省が30日発表した調査でわかった。内定と引き換えに就活を終えるよう迫られる「就活終われハラスメント」(オワハラ)だという。

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 調査は、地域が偏らないように選んだ国公私立の62大学と20短大、そこに通う来春卒業予定の学生3934人を対象に、7月1日時点の状況を尋ねた。

 3〜6月にオワハラについて、学生から相談を受けたのは82校中56校(68・3%)。昨年度(1年間)の37校(45・1%)を大きく上回った。内容は、「面接で内々定を出す代わりに他企業に断りの電話をするよう強要された」「(選考が解禁になる)8月1日に合わせて合宿参加を義務づけられた」などだった。

 学生への調査では、7・8%(未回答を除く)がオワハラを経験したと答えた。5月1日時点の状況を尋ねた前回調査では2・1%だった。

 文科省の担当者は「(就職活動開始の時期が)繰り下げられたことが影響している可能性はある」と話している。

 今年から、政府の要請で就職活動の時期が遅くなった。経団連加盟の大手企業を中心に、選考開始が昨年までの4月から8月に繰り下げられた。一方、外資系や中小企業などは、7月以前に選考を始めているケースも多い。こうした企業は、早めに内々定を出した学生を囲い込む必要に迫られ、オワハラが起こりやすい状況になっている。

 大学などでつくる「就職問題懇談会」は30日、緊急メッセージを出し、正式内定の10月より前に意思を確認する書類を提出させることなどの自粛を企業に求めた。座長の吉岡知哉・立教大総長は記者会見で、「選ぶ主体は学生。企業にとっても本来の志望ではない学生を採用するのは望ましくない」と話した。(高浜行人)

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