毎日新聞 2016年7月27日
http://mainichi.jp/articles/20160728/k00/00m/040/049000c
日没後も多くの部屋で照明が輝く霞が関の官庁街(写真省略)
霞が関で働く国家公務員の労働組合が27日、残業実態の調査結果を公表した。中央省庁は昨夏、出勤・退勤時間を早めて夕方を活用する「ゆう活」が政府の肝煎りで始まったが、調査結果は残業時間が「増えた」が「減った」を上回る皮肉な結果となった。
各省庁の労働組合が作る「霞国公」に加盟する17組合のうち厚生労働省や国土交通省の労組など10組合が調査し、非管理職の6.5%に当たる2208人から回答を得た。
月平均残業時間は36.7時間(前年比1.1時間増)。残業代が全額支給されているとの回答は49.3%(同3.8ポイント増)で相当数の不払いがあることが浮かんだ。「ゆう活」に関する調査では「残業が減った」(13.9%)より、「残業が増えた」(18.3%)の方が多かった。
経験を含めて「過労死の危険を感じた」と答えたのは27.6%。労働行政を担当する厚労省の労働部門は50.6%、厚生部門は42.4%と高率だった。【東海林智】