大卒就職率6割、5人に1人が進路未定

 この春に大学を卒業した学生のうち、進学も就職もしていない進路未定者が10万7134人にのぼることが、文部科学省の学校基本調査速報で分かった。大卒者の就職率は61.6%(男子57%、女子67.6%)で、激しい落ち込みを見せた前年(60.8%)からほぼ横ばいで推移しており、2008年のリーマンショック以降冷え込んだ雇用状況は依然回復していない。

  今春の大卒者は55万2794人で、大学院などに進学した人は7万642人(男子5万2386人、女子1万8256人)、就職した人は34万546人(男子17万7444人、女子16万3102人)だった。進路未定者10万7134人のうち、アルバイトなど一時的な仕事にも就いていないものは約8万8000人に達した。

 学科別の就職率を見ると、家政(74.8%)と教育(72.6%)が7割を超え、社会科学(68.5%)と人文科学(62.0%)も全体平均を上回った。一方就職率が低い学科は理学(40.1%)、工学(48.1%)などだった。

 就職が決まらないためやむを得ず大学院進学を選んだ人も多いと見られるが、修士課程修了者のうち進路未定者は約1万人で、一時的な仕事にも就いていない人は約9000人だった。専攻分野別では、人文科学(30.2%)と社会科学(29.1%)の進路未定者の割合が約3割と高く、文系院生が苦戦している様子がうかがえた。

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