「限定正社員」の労働条件明確化=介護休暇、1時間単位で取得−規制会議6日答申 (6/6)

 「限定正社員」の労働条件明確化=介護休暇、1時間単位で取得−規制会議6日答申

時事通信 2019年06月06日07時08分
 
 政府の規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大特別教授)がまとめた答申案の概要が分かった。「ジョブ型正社員」と呼ばれる勤務地などを限定した社員を雇う場合、雇い主と労働者の間で書面による労働条件の明確化を義務付けるよう提言。介護休暇の1時間単位での取得を可能にすることも求める。政府関係者が5日、明らかにした。
 規制改革会議は6日、答申案を安倍晋三首相に提出。政府はこれを反映させた規制改革実施計画を今月中にも閣議決定する方針だ。
 労働契約法は雇い主が従業員を雇用する際、労働契約の内容を「できる限り書面により確認する」と定めるのにとどまり、労働条件が曖昧にされるケースが多い。このため、育児や介護を抱えて転勤を望まない人がジョブ型正社員を避け、非正規雇用に流れる傾向があるとされる。
 こうした現状を踏まえ、規制改革会議は関係法令を改正し、ジョブ型正社員を導入する企業に対し、職務、勤務地、勤務時間などの労働条件を個々に文書で確認することを義務付ける必要があると判断。人手不足が深刻化する中、多様な働き方ができる環境の整備を図ることにした。
 介護休暇は現行法上、半日単位でしか取得できない。柔軟に仕事を休みにくいため、両親らの介護を理由とした退職が多い一因とみられている。1時間単位での取得は、実情に応じて休暇を取れる制度に改めるのが目的で、安倍政権が「介護離職ゼロ」を掲げていることも勘案した。
 答申案はまた、兼業・副業を促進するため、一つの会社で勤務することを前提とした労働時間管理や賃金支払いの仕組みの見直しを提言。結婚などで名字が変わった場合に旧姓使用を認める国家資格として、保育士や幼稚園教諭などを加えることも求める。
 このほか(1)地方銀行による中小・零細企業への出資規制緩和(2)最新技術を活用した教育(3)健診データの利活用促進−などを盛り込む。
 

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