最低賃金審議会、引き上げ議論始まる (7/4)

最低賃金審議会、引き上げ議論始まる (7/4)

 
□最低賃金、東京と鹿児島の差224円 引き上げ議論開始
朝日新聞デジタル 滝沢卓 2019年7月4日22時33分
 
〔写真・図版〕 最低賃金の推移
 
 2019年度の地域別の最低賃金(時給)の引き上げ額をめぐる議論が4日、始まった。過去3年は年率3%の引き上げ幅だったが、政府は今年度、引き上げのペースを加速させる目標を掲げる。最大で200円以上の開きが出ている地域間の格差をどう縮めるのかも焦点となる。
 
右も左も「最低賃金上げを」 与野党が大合唱のなぜ
 4日に始まった厚生労働省の審議会では、労使の代表と大学教授らで議論し、7月末に引き上げ額の「目安」を示す。この目安を参考に、都道府県ごとに引き上げ額を決め、秋以降に順次改定される。
 
 18年度の最低賃金は鹿児島が761円で最も低く、一番高い東京の985円と比べると224円の差がある。各都道府県の労働者数の違いを考慮した全国加重平均は874円だ。1千円を超す先進国が多い中で水準はなお低い。
 
 安倍政権は15年、最低賃金を「年3%程度」引き上げ、「全国加重平均で1千円」にする目標に掲げた。その意向に沿う形で全国加重平均はこの3年、年約3%の引き上げが続くが、このペースでは1千円に到達するにはあと5回引き上げる必要がある。
 
 政権内には盛り上がりを欠く消…
 
□どうなる最低賃金「時給1000円」 厚労省の審議会始まる
NHK Web News 2019年7月4日 19時28分
 
今年度に最低賃金をどれだけ引き上げるかを議論する、厚生労働省の審議会が4日から始まりました。政府が、より早期に平均で時給1000円に引き上げるという目標を掲げる中、大幅な引き上げが認められるかどうかが焦点となります。
 
最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、都道府県ごとに金額が決められ、現在は全国の平均で時給874円です。
 
毎年、厚生労働省の審議会で連合や経団連など労使の代表者が協議し、引き上げ額の目安を決めていて、今年度の議論が4日から始まりました。
 
最低賃金は、昨年度まで3年続けて平均で25円以上の大幅な引き上げが行われました。
 
また、政府は先月にまとめた「骨太の方針」の中で、全国平均の金額を、より早期に時給1000円に引き上げるとする目標を掲げました。
 
4日の審議会では、根本厚生労働大臣がこうした目標に配慮して議論してほしいと呼びかけました。
 
審議会では次回から本格的な労使の議論が始まり、早ければ今月下旬にも引き上げ額の目安が示される見通しです。
 
経営者側からは「中小企業の負担が大きい」などとして引き上げに慎重な意見が出ることも予想され、4年連続で大幅な引き上げが認められるかどうかが焦点となります。
 
□最低賃金、上げ幅焦点=過去3年は3%−審議会が議論開始
時事通信 2019年07月04日19時11分
 
 最低賃金引き上げの目安を決める厚生労働省の中央最低賃金審議会が4日、今年度の議論を開始した。政府はこれまで「年率3%程度」と水準を示してきたが、今年度の方針には具体的な上げ幅を明記せず「より早期に全国平均で1000円を目指す」とするにとどめた。月内に目安が決まり、10月に改定が実施される予定だが、中小企業を中心に警戒感は強く、賃上げが加速するかどうかは見えない。
 2018年度の全国平均の最低賃金は、前年度比26円増の時給874円となり、過去最高を更新した。ここ3年と同様に3%の引き上げが続けば、19年度は900円台に達し、23年度には1000円を超える計算となる。
 ただ、全国平均は労働者が多い大都市の比重が高く、都道府県別の最低賃金を見ると、18年度は40道県が全国平均を下回る水準だった。最高は東京の985円、最低は鹿児島の761円と、200円以上の格差があり、地方の人口流出につながっているとの指摘がある。
 地域格差だけでなく、水準自体が低すぎるとの批判もある。鹿児島県の最低賃金で月170時間働いても、月収は13万円に届かない。労働者からは「仕事を掛け持ちして休みなく働いても、子供を塾に行かせられない」など、悲痛な訴えが聞かれる。
 根本匠厚労相は4日の審議会で「成長と分配の好循環を継続し拡大するには、最低賃金を含めた賃金引き上げを通じ、消費の喚起を図る必要がある」とあいさつし、政府の目標実現に向けた審議を求めた。
 

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