若者のナヤミ これって「ブラックバイト」? 基準教えて (11/3)

若者のナヤミ これって「ブラックバイト」? 基準教えて
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2019/11/3(日) 8:49配信神戸新聞NEXT

若者のナヤミ これって「ブラックバイト」? 基準教えて

〔写真〕ブラックバイトの基準を説明する辻のぼる弁護士=神戸市中央区

 大学に入って初めて経験した衣料品店のアルバイト。勤務時間外に働かされたり、他の人の仕事を押しつけられたり…。これって「ブラックバイト」? どこからどこまでが「ブラック」なのか、基準を教えてください。(甲南女子大、Mさん、18歳)

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A、給料、働き方 書面で確認して

 教えを請うたのは、神戸市中央区の弁護士、辻のぼるさん(44)。労働問題に詳しく、高校などでの出前授業を依頼されることも多いという。

 −Mさんは、ゴールデンウイークに10日間、衣料品店でアルバイトをしました。出勤希望を提出する際に「出勤できない日」を2日しか書かなかったら、それ以外の8日が全て勤務になったそうです。

 「大型連休に区切って考えると、シフトを決める側からすれば『出勤できない日以外は入れても大丈夫』と思う。これは意思疎通の問題の可能性があります」

 −どうすれば?

 「きちんと『○日は出勤可能』と希望を出しておきましょう。賃金や労働条件は、事前に書面で取り決めておかないといけません」

 −社員から作業を押しつけられたり、上司から急に「○時までいける?」と聞かれ、断れず残業になったりしたそうです。パワハラにあたりませんか?

 「あらかじめ残業規定があり、残業代が出ればセーフです。作業を振ってきた社員との関係性や仕事量によっては、パワハラに該当するかも知れません」

 −従業員は商品を自費で購入し、身に付けて勤務しないといけないルールだったとか。これもアリですか?

 「違うブランドの服を店員が着るのはおかしいし、労働にかかる費用は労働者持ちですから、衣料品店なら仕方ないと言えます。ただし、2年目からも新作を買い続けないといけないとしたら、労働に必要な費用ではなく『宣伝』になるので問題です」

 −仕事が追加されて時間内に終わらず、サービス残業を強いられたことも。学生の立場では断りにくいこともあると思います。

 「サービス残業は違法。仮に両者が同意していてもだめです」

 −ブラックバイトの線引きは難しいのでしょうか?

 「例えば、給料日は書面で交付する義務があり、日にちを伝えないのは労働基準法に触れます。そういった企業は他の条件も示していない可能性があるので要注意です」

 「私も学生時代、建築現場の荷揚げなどをやりましたが、思えばどれもブラックでした(笑)。今の時代、若者も労働法の基礎ぐらいは身に付けておいたほうがいいでしょう」

 運悪くブラックバイトに就いてしまったら−。兵庫県内の学生にとって頼りになるのが、兵庫労働局(神戸市中央区)や各地の労働基準監督署だ。同局ではホームページなどでアルバイトを始める際の注意点を紹介。大学で相談会や説明会を開くこともある。

 局内の総合労働相談コーナーでは、ブラックバイトに関する問い合わせにも対応している。電話や、労基署を訪れての相談も可能。担当者は「アルバイトで疑問に感じたことがあれば、気軽に電話してほしい。法律の確認から、会社との仲介まで幅広い対応やアドバイスができる」と呼び掛ける。

 兵庫労働局総合労働相談コーナーTEL078・367・0850(平日午前9時〜午後5時)

 従業員が商品を着ることに「宣伝」の意味があると感じてはいましたが、買う頻度や期間が関係するんですね。学生の財布事情を考慮してほしかったとは思います。残業代はきちんと支給されました。ただ、頼み方に問題があると思ったし、入りたてのアルバイトの立場で、きっぱり断れる人は少ないのでは? 学生も法律は知っておくべきで、雇用者側と意思疎通を図ることも大切だと分かりました。(Mさん)
 

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