神奈川県庁の職員自殺 母親が県を提訴「長時間労働やパワハラ」 (11/13)

県職員自殺、遺族が提訴 「過労、パワハラでうつ病」
2019/11/14(木) 5:00配信カナロコ by 神奈川新聞
 
県職員自殺、遺族が提訴 「過労、パワハラでうつ病」
神奈川県庁
 
 県の財政課に所属していた男性職員=当時(37)=が自殺したのは、長時間労働に伴う過労やパワハラで発症したうつ病が原因だとして、男性の母親が13日、県に約1億円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。自殺は地方公務員災害補償基金県支部が公務災害と認定。母親は「県はこのような災害を二度と起こさないよう対応してほしい」と訴えた。
 
 訴状などによると、男性は2006年に入庁。16年4月に予算編成などを担う財政課に異動し、おおむね80時間超とされる「過労死ライン」を上回る時間外労働が続いた。7月の時間外勤務は200時間を超え、1日も休めない月もあった。9月末ごろにうつ病を発症し、11月14日の業務終了後、県庁近くの施設のトイレで自殺した。
 
 また、13年11月から16年3月まで在籍していた知事室では、「知事直結案件のPR動画作成を巡るトラブル対応などが過重な業務負担となった」「部屋中に響き渡るような声で怒鳴られるなど、上司からのパワハラで精神的に追い詰められた」としている。
 
 男性の自殺を巡っては、地方公務員災害補償基金県支部が今年4月、うつ病発症と自殺との因果関係を認め、公務員の労働災害に相当する公務災害と認定している。
 
 代理人弁護士とともに県庁で会見した70代の母親(埼玉県)は「その後も県庁の労働環境は改善しておらず、県から謝罪や反省は見られない」などと批判した。
 
 黒岩祐治知事は「県の元職員が自ら命を絶たれたことは大変残念。県庁組織として再発防止に向け取り組んできた」としつつ、「訴状が届いていないので、詳細を確認した上で対応する」とコメントした。
 
神奈川新聞社

神奈川県の元職員の自殺 遺族が過労死賠償求め提訴 横浜
NHK News 2019年11月13日 20時17分
 
3年前に自殺し、「公務災害」と認定された神奈川県の職員だった男性の遺族が、長時間労働やパワーハラスメントがあったのに適切な対応が取られなかったなどとして、県に対し1億円余りの賠償を求める訴えを起こしました。
 
代理人弁護士によりますと神奈川県の職員だった当時37歳の男性は、うつ病を発症するなどして3年前に自殺し、時間外労働がいわゆる過労死ラインとされる月80時間を超えていたことなどから、ことし4月、地方公務員災害補償基金が長時間労働が原因の過労自殺にあたるとして、民間企業の労災に相当する「公務災害」と認定したということです。
 
また、元職員は以前勤務した「知事室」という部署でも上司からどなられたり、「とにかくやれ」というあいまいな指示を受けたりするパワーハラスメントを受けていたとしています。
 
元職員の母親は、県がこうした状況を改善せず、職員の安全に配慮する義務を怠ったなどとして、13日県に対して1億円余りの賠償を求める訴えを、横浜地方裁判所に起こしました。
 
母親は「亡くなる前に県が何らかの対応をしてくれれば命が助かったかもしれない。二度とこうしたことが起きないようにしてほしい」と話しています。
 

 

神奈川県の黒岩知事は「元職員がみずから命を絶たれたことは、大変残念で、改めて心よりお悔やみ申し上げます」としたうえで、「訴状が届いていないので詳細を確認し対応したい」とコメントしています。

神奈川県庁の職員自殺 母親が県を提訴「長時間労働やパワハラ」
https://www.sankei.com/affairs/news/191113/afr1911130037-n1.html
産経新聞 2019.11.13 18:55社会裁判

〔写真〕神奈川県庁職員が自殺したのは、長時間労働やパワハラが原因だったとして、県を相手取り訴訟を起こした職員の母親=13日、横浜市中区の神奈川県庁(浅上あゆみ撮影)

 神奈川県庁の財政課に在籍していた職員の男性=当時(37)=が自殺したのは、職場での長時間労働や上司のパワハラが原因だったとして、男性の母親が13日、県を相手取って横浜地裁に提訴した。

 訴状や代理人弁護士らによると、男性は平成25年11月に政策局知事室に配属され、秘書業務のほか、知事の発案による広報活動の推進や、イベントの企画・運営などに携わっていた。知事室で上司から「とにかくやれ」と大声で日常的に怒鳴られるなどのパワハラ被害に遭っていたという。28年4月からは総務局財政課に異動。業務は多忙を極め、同年7月には時間外労働が200時間超となるなど過労死認定基準を超える長時間労働が確認された。

 男性は同9月末ごろに鬱病を発症し、同11月14日、県庁近くの公衆トイレ内で自殺。今年4月に、公務員災害補償基金神奈川県支部で公務災害に認定された。

 母親は会見で「何の対応もされないまま息子の大切な命が奪われた」と涙ながらに訴えた。県は「訴状が届いていないので、詳細を確認したうえで対応します」とコメントした。
 

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