パワハラ指針不十分、具体策を 「泣き寝入り」と就活生ら (12/2)

交際相手の有無聞かれ 就活セクハラ被害女子学生ら対策訴え
https://mainichi.jp/articles/20191202/k00/00m/040/295000c
毎日新聞2019年12月2日 22時29分(最終更新 12月2日 22時29分)

就活セクハラの実効性のある対策を訴える女子学生ら=東京都千代田区で2019年12月2日午前11時14分、矢澤秀範撮影

 就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)被害を受けた学生らが2日、東京都内で記者会見し、職場のパワハラ防止指針案について「現実の就活に即した具体的で、実効性のある規定を設けるべきだ」と見直しを訴えた。

 主催したのは、都内の学生有志による団体「SAY(Safe Campus Youth Network)」。大学のOB訪問で、男性社員から交際相手の有無や結婚の予定などを聞かれた女子学生は「採用に必要な情報なのか」と疑問視。指針案が定める職場の範囲は、業務を遂行する場所に限っているが、「就活生は食事の場などでも社員と会う。指針案は現実的でない」と話した。慶応大大学院の対馬尚さんも「偏見から誰にも相談できず、長年苦痛を感じている人もいる。法制度で保護すべきだ」と訴えた。

 OBとつながるためスマートフォンのアプリを使う就活生が多いが、国際基督教大の山下チサトさんは「出会い系サイトのように使われ、セクハラや性暴力の温床になっている」と指摘。「企業は採用、不採用を決める立場を利用してハラスメントをするのはやめてほしい」といい、大学側も相談窓口を設置するなどの対策が必要だとした。【矢澤秀範】


パワハラ指針不十分、具体策を 「泣き寝入り」と就活生ら
https://this.kiji.is/574174771209552993
2019/12/2 19:08 (JST) ©一般社団法人共同通信社

パワハラ指針は就活ハラスメントを防ぐのに不十分だとして、記者会見する大学生ら=2日午前、厚労省
厚生労働省の審議会で11月にまとまったパワハラの指針は就活ハラスメントを防ぐのに不十分だとして、慶応大や上智大など6大学の学生らでつくる有志団体「セーフ・キャンパス・ユース・ネットワーク」が2日、厚労省で会見を開いた。多くの被害者が泣き寝入りしているといい、法律や指針に具体策を明記するべきだと訴えた。

 指針は就活生への言動について「(社員と)同様の方針を示し、相談があった場合は適切な対応に努めることが望ましい」との表現にとどまっている。学生らは、厚労省が20日まで実施中の意見公募(パブリックコメント)に声を寄せる予定。 

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