2019「ブラック企業大賞」ノミネートを発表。セブンイレブン、三菱電機など9社 (12/13)

2019「ブラック企業大賞」ノミネートを発表。セブンイレブン、三菱電機など9社
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2019/12/13(金) 18:30配信bizSPA!フレッシュ

2019「ブラック企業大賞」ノミネートを発表。セブンイレブン、三菱電機など9社
「ブラック企業大賞」記者会見場
2019年もパワハラやセクハラ、残業代未払いなど、日本の労働環境は悪化の一途を示すようなニュースが連日報道されている。そんななか12月13日に、「第8回 ブラック企業大賞2019」のノミネート企業が実行委員会より発表された。

「ブラック企業」の選考にあたっては、?労働法やその他の法令に抵触、またはその可能性のあるグレーゾーンな条件での労働を従業員に強いている企業、?パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人などという点を定義としている。

ブラック企業大賞ノミネートの9社
今回、「ブラック企業大賞2019」にノミネートされたのは以下の9社。

・KDDI株式会社
・株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
・株式会社電通
・株式会社ロピア
・長崎市
・トヨタ自動車株式会社
・三菱電機株式会社(メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社)
・吉本興行株式会社
・楽天株式会社

 このノミネートされた9社について、実行委員を務める弁護士・佐々木亮氏は「毎年、過労自死や重労働によって精神疾患になるような問題は、通年とまったく変わりがない。結果として有名企業が多いことも、選考している我々としては空しい気持ちです」と話した。

 また、労働運動活動家の河添誠氏は、過去にも「ブラック企業大賞」を受賞しているセブンイレブン、電通、三菱電機が今年も選ばれていることについては「日本を代表するような大企業で異常なことが起きている」と語気を強め、「何度も過労やイジメのなかで人が死んでいたり、残業代の未払いを労基署に指摘されながら直しもしない。そんなことをやっている企業を告発するのは当たり前です」と話した。

 これにはアジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子氏も「ノミネートされた企業以外にも、事務所にはブラック企業に関しての意見や告発する声が増え続けている。まずは社会的影響力と社会的責任において、大企業から先に襟を正していただきたいという思いがあります」と訴えた。

 では、過去にブラック企業の大賞に選ばれながら、今年もノミネートされた3社について具体的な事例や理由をもう少し掘り下げてみたい。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン【2015年大賞受賞】
2019年12月、全国のフランチャイズ加盟店から「代行」して支払っていたアルバイト・パートらの残業代の一部が少なくとも1978年から未払いだったと発表。未払い額は、遅延損害金を含めると4億9000万円にのぼるとされる。

 また2015年に大賞に選ばれた際、加盟店に対する不当な扱いを理由に挙げていたが、今年も同社の加盟店オーナーが契約内容に関する告発が相次ぎ、9月には公正取引委員会がコンビニ業界の実態調査を行う方針を明らかにしたほか、11月には本部社員が加盟店に無断で商品発注をしていたことも発覚して問題となった。

2019「ブラック企業大賞」ノミネートを発表。セブンイレブン、三菱電機など9社
Densu Building CC BY 2.0 via flickr
株式会社電通【2016年 大賞受賞】
今年9月に、2018年の社員の違法残業や、残業時間の上限を定める労使協定の違法な延長などを指摘され、労働基準法と労働安全衛生法に違反したとして、労基署から是正勧告を受けたと報道。

 すでに同社は、2015年末の過労自殺事件を受けて、2017年10月に労基法違反の有罪が確定していた。その後、残業規制などが進んでいたという噂だったが、今年も是正勧告を受けてしまったわけだ。

2019「ブラック企業大賞」ノミネートを発表。セブンイレブン、三菱電機など9社
三菱電機のロゴマーク © Thomas Lukassek
三菱電機株式会社【2018年 大賞受賞】
20代の男性新入社員が今年8月に自死し、教育主任だった30代の男性社員が自殺教唆の疑いで書類送検。自死した現場には、教育主任から「死ね」などと言われたというメモが残されていたと報道された。

 また、三菱電機の子会社である、メルコセミコンダクタエンジニアリング株式会社では、2017年末に当時40代だった技術者が自死し、今年10月に労基署から長時間労働による労災であると認定された。

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 ほかのノミネート企業に関しての選考理由は「ブラック企業大賞のホームページ」に記載してあるので、ぜひ一読してもらいたい。ブラック企業2019の大賞は、ウェブ投票などを通じて、12月23日に発表される。

<取材・文/吉岡俊>

bizSPA!フレッシュ 編集部 

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